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修了生論文

求人採用に関する分析

東京校 (T-college) 桒原 良次株式会社グリーンエナジー 代表取締役)

1. はじめに

私がTCに入学した理由は、私が経営者として知識と経験が足りない事で、会社の成長が遅いと感じたからです。スクールで学んだ事は多く、受講満了して私が感じたことは、いかに自分が感覚で仕事をしているかという事でした。社員への説明でフレームワークを使った事もなく、というかフレームワークというものを知らなかったです。当然分かりやすく教える事も出来ず、口頭で自分の経験談を伝えて、いい事を言ったなぁ~と自己満足に浸る事がほとんどだったと今では感じています。

卒業論文の作成に向けて私が感じている事は、今まで出来ていなかった、というよりは避けて通ってきた、文章や図表を用いて人に分かりやすく伝えられる資料を作りたいと思っています。そして、これを機に当社で使える資料の作成や、人に物事を分かりやすく伝えられるように生涯学習をしていきます。

 

 

2. 動機

今回の研究テーマを決めるに当たって、今現在の当社での緊急課題を取り上げました。その中でも求人採用は重要度が高く、昨年度1年間で求人広告出稿数が691件あり年間費用で約1,400万円を使っています。販売費及び一般管理費の中で人件費の次に割合を多く占める科目になります。当社では一般社員以外にも下請人の募集をしていて1年を通して出稿しないのは長期休日のある週だけで、ほぼ毎週求人広告を出している状況です。社会的にも近年は売り手市場という言葉が多く聞こえ始め、当社だけではなく多くの企業が課題としていると考えました。今よりも効果の高い求人広告の出稿、今よりも質の高い人材の採用をする為には、求人と採用について分析をする事は必須と考え選びました。

 

 

3. 企業概要

・社名 株式会社グリーンエナジー

・設立 平成21年1月7日

・所在地 埼玉県さいたま市南浦和2-27-12

・従業員 正社員8名、契約社員17名

・下請人 116名

・資本金 1,000万円

・業務内容 貨物軽自動車運送業、調査全般における補助業務

 

 

4. 業務内容

当社のビジネスモデルは、大証2部上場をしていた運送会社の貨物利用運送業をモデルとして活かしています。運送業には国土交通省に定められた貨物利用運送業というものがあります。

「貨物利用運送事業」とは、他人(荷主)の需要に応じ、有償で、利用運送(自らの運送機関を利用し運送を行う者(実運送事業者)の行う運送を利用して貨物を運送すること)を行う事業。

分かりやすく言うと運送業界用語で言う水屋「自社以外の人に運送を委託してマージンをとる会社」になります。

具体的には配送や調査の一部業務を受注し、下請人(下請け業者もしくは個人事業主)に再委託をします。再委託先を選定する際に、紹介や求人広告で募集をし面談をして決定します。再委託後、顧客との打合せを繰り返し、顧客に合わせた業務内容への作り替え(例:配送コースの変更、指示が無くても出来る単純作業を追加で請け負う等)や下請人とコミュニケーションをとり円滑に業務を遂行させます。

下請人の安全衛生面の環境整備や労働環境の改善を図り、業務を長期的に継続出来るよう仕組みを作ります。

 

 

5. 求人採用の近年の動向

 

上記図は厚生労働省が発表している有効求人倍率の推移をグラフにした表になります。有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。平成26年から1を上回り、売り手市場となっている事が分かります。当社の業種(自動車運転の職業)になると3.03になりますので、1人に対して3社が競っている状況になります。

また、株式会社リクルートホールディングスの研究機関リクルートワークスの中途採用実態調査(民間企業4,768社)によると、2016年度上半期において約2社に1社は中途採用で人員を確保できず。2017年度の中途採用はさらに増加の見通しとあります。

今後もますます求人採用については困難になっていくといえます。

 

 

6. 求人採用の流れと手法

求人採用には新卒採用と中途採用があり、新卒採用は一般的に1年に1度定期的な採用をする事をいいます。中途採用は不定期採用になり即戦力を求める事が多くなります。当社の場合、下請人に関しては即戦力で無ければならないので、中途採用を軸にして分析をしていきます。

求人採用の流れは、大きく分けると、①求職者にアプローチ②面接や試験を通して選考、採用になります。アプローチの方法は求人広告、SNS、ラジオ、TV、説明会など様々な方法がありあます。面接選考の方法は企業によって多数ありますが、多くの企業は自社での面接基準や試験基準があり判断をします。

 

6.1 アプローチ

特定対象者へのアプローチか不特定多数へのアプローチをするかで、方法が変わります。特定対象者の場合、紹介やヘッドハンティングなどがあります。当社の場合、不特定多数にアプローチをする為、求人広告に募集記事を載せる手法をとっています。求人広告には大きく分けると4種類があります。下記表は当社での感覚値になります。近年では求人サイトの使用が増えており、現在はハローワーク以外の3種類を使用しています。

 

 

費用に関しては当社ではほぼ2万円前後の媒体を使用している為、昨年の求人広告費の平均は20,280円となっています。

効果の出る年代に関しては当社では高年齢(60歳以上)の方の反響が約66%を占めています。

専門職の募集に関しては、求人サイトが情報量を多く載せられるので〇としました。

 

6.2 選考、採用

面接、選考の手法は多数あり、集団や個人で行う場合、面接回数や試験の有無等によって異なります。選考の基準は面接官とのやりとりで感覚から決めるものから、企業独自の評価基準で決めるもの等があります。

当社の場合ほとんどの面接が1対1で行い、評価基準は心と身体の健康面に問題が無い場合は、面接官(顧客の担当営業)が顧客の業務を遂行できるかどうか、顧客の従業員と上手くやっていけるかどうかの判断をするくらいです。現状、判断に個人差があり一定のレベルが保たれているかどうかは分かりません。

 

 

7. 求人採用の当社のデータの分析

当社の過去3年間の求人に関するデータ下記図表を分析していきます。

 

 

7期から9期で比べると求人費用が約1.69倍増加、反響単価が約1.32倍増加、採用単価が約1.62倍に増加している事が分かります。反響から面談への率、面談から採用への率が低下している事が分かります。

この事から一人採用をするのに、3年前よりも費用も労力もかけてきた事が分かります。費用が増加し、効率が低下している状況を変えていかないと、経営状態が悪化していく事が目に見えて分かります。

 

9期の各媒体のデータ下記図表を分析していきます。

 

 

an、マイナビバイトは配布数が少ない為対象外とします。採用単価が一番安いのはTW(タウンワーク)¥153,484、広告単価が一番安いのがユメックス¥13,358、反響率が一番高いのがフロムエー657%、採用率が一番高いのはバイトル24%になります。現在の情報量だと正確な判断をするには足りませんが、総合的に効果が一番高かった媒体はTWとなります。

 

 

8. 求人採用の今後の取り組み

 

8.1 今後の求人採用の背景

2025年は、15〜64歳の生産人口だけでなく、総人口もピークアウトし、本格的な人

口減少下になります。しかも、人口構成は、17 歳以下13.6%、18〜34 歳16.7%、35

~59歳33.2 %、60 歳以上36.6%と、少子高齢化が一層顕著になってきます(国立社会

保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」)。

関東にいると、東京オリンピックが終わるまでは求人には苦労するよね、という声をよく聞きますが、根本的な問題として日本全体で労働人口が減っていく事が考えられます。超高齢化社会と言われている時代は、もう目の前の現実となっています。

当社の対策としては、

① 高齢者でも出来る業務を増やしていく事で、求人の範囲を拡げ反響を増やす。

②外国人労働者でも働ける環境を作る事で求人に依存しない。

③現在いる労働者が辞めない様コミュニケーションをもっと深める。

④他社を辞める人材を囲い込む(例:辞めたいけど辞められない人向けのホームページを作る等)事で求人に依存しない。

⑤労働者から見て働きたいと思える会社作りをする。(会社のブランディングをする)

簡単には出来ない事ばかりだが、時代背景や動向を考えると、求人に出来るだけ依存せずに労働者を確保出来る仕組みが欲しいので、当社としては試す必要があると考えました。

 

8.2 今後の求人の取り組み

今回の分析により、当社の求人広告のデータは乏しく、実際にどの媒体が良いと判断するには不十分であると感じました。抽出する項目(例:募集日額単価、配布地域等、文言や画像)を増やす事で、より効果の高い媒体選びや原稿作成を出来るようにしていきます。使っている媒体の数が少ないので、効果を探る上でも新しい情報を得る上でも、メジャーではない広告会社とも取引をしていきます。そして、今よりも効果の高い求人広告の出稿を出来る様に専門部署を作り改革をしていきます。

 

8.3 今後の採用の取り組み

面接官に対して採用率の目標値を今まで設けていませんでした。今後は有効求人倍率を指標にして採用率の基準値を設定し管理していきます。面接官をする人員に面接セミナー等を受けさせ、私も一緒に学ぶことで、当社の採用の判断基準の策定をします。

売り手市場である事をふまえ、当社の仕事を求職者に選んでもらうという立場になり、よく考えてプレゼンをします。AIDMAのプロセスが合うので意識をして採用業務をし、各業務で手抜きはないかチェックをして管理をしていきます。
Attention 注目

求人作成:条件だけではなく働く魅力やターゲット層に刺さる文言を使い、注目される様に工夫をします。

Interest 興味

応募:メールや電話での応答で興味を抱いてもらうように心がけ、求職者が会って話を

聞きたくなるようにします。

Desire 欲望

面接:3C分析を使い求職者に対して当社のバリュープロポジションを提案し、仕事をやりたくさせます。面接官と一緒に仕事がしたいと思える様に、リーダーシップをもって接していきます。

Memory 記憶

選考:求職者の記憶に残る様、配布物等を使い工夫をします。求職者に忘れられる前に再度こちらから連絡をします。

Action 行動

採用:求職者が決断しやすい環境を整えます。安心して働ける環境の説明や将来の設計を一緒にする事で自発的に選んでもらえる様にします。

 

 

9. まとめ

改めて調べてみると、日本全体で求人採用は困難な状況になっている事が分かりました。要因としては、人口減少に伴って労働人口が減っていく事、有効求人倍率は上がり続けているので人材確保の競争がさらに激しくなっていく事です。現在の中小企業は既に中途採用が順調に出来ていない状況にあり、将来は今よりももっと困難になる事が予想されます。

当社は求人採用が売上を作る生命線(労働力の仕入れ)になるので、他社よりも経営への影響が強く出ます。今後も分析をする事を忘れずに、意識を高く持ち対策をしていきます。

簡単には出来ない事だからこそ、そこにビジネスチャンスがあると考え、まずは社員の意識改革を図り、今期中には求人採用の専門部署を作り、新たなビジネスの展開につなげていこうと今は考えています。

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