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修了生論文

『スクールで学んだことをどの様に活かしていくか?』

東京校 (T-college) 三次 誠二丸真食品株式会社

【動機】

以前(2015年まで)、私は京都の老舗料亭『菊乃井』で板前の仕事をしていた。大阪(菊乃井とは別企業)で5年、本店で10年、東京赤坂店で5年。板前として20年も費やしてきたため料理人としての自信は今も健在である。

結婚を機に経営という畑違いの仕事に携わる事となった。“一つの事を成し遂げた自分には業種が変わっても通じるものがあるから成し遂げられる”という自信があった。実際携わってみると新人で、しかも婿養子のため、言いたい事も言えず、やりたい事があってもできなかった。経営に関する仕事、勉強をしたことが無いため、どこから手を付けて良いのかわからず困惑していた。そんな時に近所で会社経営をしている方にビジネススクールのお誘いを頂き勉強する機会が生まれた。

5年後、10年後には完全に事業承継しなければならない。それまでに何をすべきなのか、何をしたら良いのかを考えたい。まずその一歩としてF&Mで学んだことをどの様に活かしていくかを分析しながら導き出す。

 

 

【企業概要】

社名 丸真食品株式会社
所在地 本社:茨城県常陸大宮市山方829
店舗: 茨城県常陸大宮市山方477-1
工場: 茨城県常陸大宮市山方825-1
資本金 1,000万円
事業内容 納豆の製造販売
大手との価格競争を避けるため、希少価値の高い大豆を使用。舟形のパッ
ケージ等、御進物・お土産に相応しい納豆を取り扱っている。
工場では製造の他に週3回工場見学を実施している。
従業員数 50名
企業理念 地域に生き 地域に生かされ 地域とともに生きていく
主な沿革 1951年(昭和26年) 「茨城納豆」として三次蔵之助が創業
1957年(昭和32年) 「舟納豆」を開発、販売
1985年(昭和60年) 販売店創設
1990年(平成 2年) 丸真食品株式会社設立
1998年(平成10年) 販売店移転「バイパス店」開店
グループ会社「有限会社真撰」設立
2009年(平成21年) グループ会社「株式会社八光」設立
2013年(平成25年) グループ会社「株式会社大夢」設立

 

 

【現状分析~外部~】

久慈川を流れる渡し舟からヒントを得て、二代目社長が考案した「舟納豆」で徐々に地域に親しまれていった。売り上げも伸び会社を設立すると、そこから次々に商品開発が進み、販路拡大、グループ会社設立へとつながった。

2011年3月に東日本大震災が襲い、震災が原因で引き起こされた福島第一原子力発電所事故で一時は客足が減った。県政、市政、地域とともに復興へと取り組みようやく震災前に戻ってきている。しかしその5年間の間に日本最大面積の道の駅『かわプラザ』が設立され、観光バスの集客が減った。

 

 

【現状分析~内部~】

私が入社をして、一から入り3年が経過しようとしている。常に現場に入っているため社内の雰囲気が良くないと感じるし、社員の考えている事がよくわかる。また、直に社員の声が耳に入ってくる。この社風が問題であり、改善したい課題は下記の通りである。

a 組織体系(組織図)、避難時組織割、等は作れているが実際機能していない。

b 社員内で陰口が多く、向上心、助け合い精神、自主性が欠けている。

c グループ会社間でのやり取りが少ない。(コミュニケーション不足)

d 自分自身まだ、失敗、ミスもあり社員からの信頼を得ていない。

e リーダーシップをとるに相応しい人がいない。

f 新卒での採用が今まで一度もなく、社員育成の仕組みが整っていない。

以上のことが挙げられる。これらに対してF&Mで学んだことを、まずどこから改善し、どのように活かしていけるか、最終的にどこにまで向上させるか明らかにしていく。

 

 

【現状分析に対しての改善策】

改善すべき順番を考えると下記の通りであり、最初に内部課題を改善すべきである。

 

 

【内部課題】(d→e→b→f→c→a)⇒【外部課題】

まだ失敗、ミスがある私はリーダーを任されるに相応しい人物ではないため、そこから改善すべきである。『君主論』では慈悲深く、信義に熱く、人間味があり、裏表がなく、敬虔であると思われ、親しまれていることがリーダーに必要であることを学んだ。失敗、ミスが多いとその分信頼が欠けてしまい、社員からの信頼が軽薄となってしまう。逆に信頼を勝ち取るには実績をあげ、ミス、失敗をなくせばおのずと信頼を獲得していくことができるということである。私は受け持つ部署が増え、物流だけだったのが営業も回るようになった。企業の中で一番実績を問われる部署を与えられた自分は運も味方にしていると感じている。『君主論』の中でも時勢を見定め、運をも味方につける事が必要であると記されている。[内部課題d・eに対して]

日々の業務に追われている中、各部署(店舗、コールセンター、物流、工場)でミーティングをしているが、雰囲気が暗く、意見も出ない。その様な中で助け合いの精神、向上心など生まれない。ましてや自主性が芽生えることなど皆無である。これは大きな問題であり時期が来ないと解決できないこともあるが、今できることは新雇用を作り、SL理論を行使して新人育成していくことである。新人育成に対しては動画を作り、マニュアル化を図ることが効率的である。またF&Mで取り入れているようにカラフルな機材(事務用品)を用いることにより発言し易くさせ、向上心をあげさせることが大切である。[内部課題b・f・cに対して]

組織体制に関しては機能しているところは残し、機能していないところを見直し、必要のない役職は切らなければならない。新しい組織図を作ることが望ましい。これは自分が代表取締役に就任するまではできない事ではあるが必ず行わなければならないことである。『君主論』にも記載されていたように“君主たるものは残酷な一面も具えていなければいけない”ということである。[内部課題aに対して]

実施していく事を簡潔にまとめると以下のとおりである。

1 実績を積んで、リーダーの素質を備える。

2 新人育成のマニュアル化(動画を制作)、SL理論から部下とリーダーの育成をする。

3 組織体制、組織図の見直し

株式会社設立以前から通販事業(卸売り)を始めていた。中間業者よりも顧客向けに通販を始めた方が利益率は良いので震災以前に顧客向けの通販事業を始めていた。その通販も東日本大震災と楽天が通販に乗り始めたことを機に強める事となる。その時に取り組んだのが自社のホームページ制作であった。今後は高齢化社会になり、来店による集客は極めて難しくなっていくと考えられる。よってここから先はSWOT分析、ファイブフォース分析を通して当社が今後どう取り組んで売り上げを取っていくべきなのかを分析をし、事業継承した後に活かしていきたい。

 

ファイブ・フォース・モデルのイメージ図

 

≪業界内の脅威≫

・ギフトに特化している納豆企業の存在

〇二代目福次郎(秋田県)   最も当社のマーケティングに類似している。希少価値の高い大豆を使用し、ギフト向けに展開している。

〇だるま食品株式会社      同形態の舟形納豆を販売している。

2016年の市場規模は、前年比16%増の2,140億円と過去最高記録を打ち出した健康ブームに加え、国産大豆を使用した高価格帯商品の売れ行きの良さが成長の後押しとなっている。国産大豆の使用量は6年連続で増え続けている。3年で倍増した。現在は18%と2割に迫る勢いである。

 

≪新規参入≫

・国産大豆を使った納豆の製造販売が拡大している。

・『北海道大豆スズマル』『ミヤギシロメ』『茨城小粒』などと、使用原材料と品種銘柄をパ

ッケージで強調した商品が売り場を広げている。

・大手が希少価値の高い大豆を用いた商品の取り扱いを始めている。

 

≪買い手の交渉力 B to B≫

・国内には133社(茨城で44社)あり自由に好きな企業、好きな納豆を選ぶことができる。

・送料のサービスに敏感である。

・価格の安い企業と比較する。

・まとめ買いの割引との対象にされる。

・同じ大豆を使用した商品があると価格を比べる。

 

≪代替品・サービス≫

・スーパーで安価に買える納豆

・冷蔵商品でない納豆(通販向き)

例1:しか屋(鹿児島県鹿児島市) 納豆粉末、納豆カプセルを得意とする企業

例2:天狗納豆(茨城県水戸市)  干し納豆

 

≪売り手の交渉力≫

・国産大豆卸はほぼ独占状態である。

・希少価値の高い大豆(当社でいうミヤギシロメ、黒人、紅大豆に当たる)は直接農家から仕入れる事は可能であるが、希少価値が高い分、供給量が限られる。天候、災害により価格の変動がある。

・国内産の経木(赤松の木)の生産者が少ない。

 

SWOTイメージ図

 

≪強み Strength≫

〖店舗〗

a 接客、接遇(顧客サービス)が茨城県内において高い評価を得ている。

b 直営店であるため製造販売のコントロールがし易い。

〖商品〗

c 個性的なパッケージでブランド力が高い。例えば舟形の容器、わっぱ型の容器である。

d 御進物、お土産に適しているためお中元、お歳暮に多く使われる。

e 世間的に国産大豆使用への関心が高まっている中、全て国産を使い希少価値の高い大豆(黒神、ミヤギシロメ、黒コジロウetc)を使用している。

〖工場〗

f 新しく出来た工場には見学スペースがある。茨城県デザイン賞を受賞している。

g 60年の歴史を持ち自社製造で創業以来の製法(手作り)を守っている。

≪弱み Weakness≫

〖店舗〗

a` 業務に対しての社員数(特に若手)が少ない。

b` 新人育成の仕組みが出来ていない。

〖商品〗

c` 資材費が高いため価格を高く設定しなければならない。コストがかかる。

d` ひとつひとつの容量が多い(食べきれない)。

〖通販〗

e` 全てクールで発送しなければならないため顧客は購買に躊躇する。

f` 贈答用以外でのメリットが少ない。(自宅用としては全体の50%以下)しかもリピート客が少ない。

〖システム〗

g` 顧客情報が少なく分析ができない。

h` 店舗と通販との顧客データが別々である。

≪機会Opportunity≫

〖店舗〗(a、d、e、f、gより)

・来店する目的があり、地域の学生や園児への食育や日本の伝統を伝える事が出来る。

・地域愛を強める事ができる。(地域活性化に繋がる)

〖商品〗(c、d、eより)

・より一層ブランド力を高め、付加価値のある商品開発。

・副材料(麦、蕎麦、切り干し大根)においても産地、品種、作り方に拘ったプレミアム納豆をつくる。

〖工場〗(b、f、gより)

・食の安全性を提供できる。

・情報の拡散ができる。

・在庫を持ちすぎなくて済む。

〖通販〗(c、d、eより)

・お中元、お歳暮以外にも企画を設け販売促進に繋げていく。

 

≪脅威 Theat≫

〖店舗〗(a`、b`より)

・人材不足、社員のスキル低迷による企業規模の縮小が考えられる。

〖商品〗(c`)

・原材料である大豆、資材の高騰による収益の圧迫が考えられる。

〖通販〗(e`、f`より)

・年間通して繁忙期と閑散期との差が激化してく可能性がある。

〖システム〗(g`、h`より)

・ターゲットを絞ることができず、新規顧客を獲得しにくい。またリピータ―増加させにくい。

≪どのように克服すか?≫

〖店舗・工場〗

・地元地域の学校、企業、バス会社、ツアー企画企業に営業に行き、観光(ツアー等)を企画してもらう。新しい販路を作る。

〖商品〗

・丸真食品株式会社の代表的商品『舟納豆』のブランド力を強化していき、よりギフト向きの価値ある商品にする。(材料、タレ、産地等、全てに拘ったプレミアム納豆etc)

〖通販〗

・定期的に購入してもらえる様、量を少なくした食べ切りサイズの納豆の開発。買い求めやすい価格帯にし、定期便に誘導、勧誘する。(5種類の小粒納豆を好きな種類を好きな割合を定量で定期的に購入していただく商品)

〖通販〗

・お誕生日登録キャンペーンを打ち出し年間の平均化をはかる。

≪どのように回避するか?≫

〖店舗〗

・決算書の見直し、新卒を使用できる体制にする。

・20代30代の社員を増やし人材の育成をする。

〖システム〗

・SNS活用で新規顧客を獲得する。

・店舗顧客と通販顧客を共有できるようにシステムを改善する。

 

 

【結果への考察】

これから私が取り組んでいく事を順番に記載してみる。

1 『君主論』を基にリーダーシップの素質をそなえていく。さらに営業での実績を上げ社員からの信頼を確立する。また原田先生が推奨していたリーダーシップ論も読み知識を深める。役職を貰えるようになる。

『貞観政要』『リーダーシップ/アメリカ海軍士官候補生読本』

『第二版リーダーシップ論  ジョン・P・コッター』

2 社内で動画を作るサークル『舟納豆動画倶楽部』を作り、若手社員の育成と社員間の交流を図る。企業内でマニュアルにするべきところの動画制作、求人募集、企業案内、企業CMの作成などを作り上げていく。仲間意識を強め、助け合いの精神を育てる場にする。

3 事業継承ができたら、組織体系の見直しと組織図の作成をする。

4 顧客のニーズに合わせた定期便の発動(設備投資が必要となってくるため、ここで論文のノウハウ、SWOT分析、ファイブフォース分析の知識を活かしたい。)

 

 

【まとめ・感想】

“終わりよければ全てよし”、“はじめ善ければ終わりよし“

初日に車と車との事故で遅刻をしました。原田校長からは“どんなことがあろうが、どんな理由であろうが遅刻をする人とは仕事をしない”とハッキリ言い切られ、“もう来なくて良い”と言われた私ですが、これがあったからこそしっかり学ぶことができました。『君主論』を読んで自分の頭に一筋光り走るものがありました。“運も味方にしなければならない!”仕事、勉強、子育てを両立しながらで厳しかったですが、たくさんの知識を得る事ができ感謝しています。まだ教わっただけで実践に落とし込めていません。復習、本の知識を取り入れながら実践していきます。半年間ありがとうございました。これからもご指導、ご鞭撻頂けますようお願い申し上げます。

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