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修了生論文

「スクールでの学びをどう当社に活かすか」      

名古屋校(N-college) 大塚 正晃有限会社大塚製作所 代表取締役社長)

1. 動機

私は幼少の頃より周りから跡継ぎ(父が長男で、私も長男)として見られていました。反骨心より決まったレールを進むのが本当に嫌でした。また学生時に学んだデザインの仕事に挑戦したいという思いもあって、卒業後にインテリア商材を扱う商社に入社しました。

そこでは営業と商品企画を4年経験しました。

2001年1月に実家に行った時に色々な思いがよぎりました。幼少の頃から言われていた祖父母の私への期待、社長であり父親の思い、そしてそこで育った事に感謝していない自分に気付き、同年の3月に退職し4月に入社しました。

入社後は技術面の習得の為、製造現場をメインにしていました。先代の専務が営業・品質保証課を担当していましたが、引退を機に私が業務引継をしました。現場要素が多いまま5年過ぎ、経営の勉強もしないといけないと思いつつもずっと出来ませんでした。

商社での経験である程度仕事はこなせましたが、私が部長職になると、知識不足、見識不足による頼りなさを感じ始めました。

自分の力不足を感じながら、2017年9月に代表取締役に就任しましたが、スクール入学を機に自分の現状把握をし、そこを認識して補強し、更に自分の強みを発見し伸ばしていく中で、社員や部門長も育つ環境を作りたいという思いから今回の研究内容を選びました。

 

 

2. 会社概要

商号:有限会社 大塚製作所

所在地:〒463-0064 名古屋市守山区更屋敷5番5号

創業:1964年7月6日

資本金:300万円

代表取締役:大塚 正晃

業態:パイプ鋼材を主材とした介護用品、椅子、ディスプレイ器具、スチール家具製造。

当社は1964年創業。今年で創業54年目になります。初代 大塚秀作(祖父)が静岡県より名古屋に出てきて立ち上げました。当初は美容機器の製造を行っていましたがリビング・ダイニング・キッチン用品の製造移行していきました。その後2代目 大塚正和(父)の代よりカウンター椅子、リビング用品、電動ベッド、介護用品の製造に移行していきました。創業時より開発から完成品製造を社内一貫で行っています。

 

 

3. 当社をSWOTにて分析しました。

SWOT分析による課題と今後の対応。

強みを活かし機会ととらえ、マイナス要因の克服と回避。

・高い技術を持つ会長、工場長からの技術を動画や写真に残し、会社の技術書としていく働きをして、仕事を標準化していく。

・組織が新しくなったので、企業理念に基づいたルールをしっかり根付かせて、新人でも働きやすくする。

・仕事を標準化する工程の中で、材料原価・人件費・外注費を分けて作り、商品原価を見える化して全員で技術と原価の勉強会をして知識の共有をする。

・技術の見える化をして開発にかかわる人員を増やし、開発速度アップ・開発案件を増やし新商品の国内商品単価を上げていく。

・協力会社様と新しい事業取り組みをし、他業界商品の開発から製造を行う事によって、介護保険制度に左右されにくい会社にする。

・海外工場で生産した商品をそのまま海外で販売し国内だけで戦わない販売を行う。

 

 

4. 当社の状況を分析する為、社員へのアンケートを実施しました。

(会長含む15名)

 

内容は社風、QCD、見える化の、理念浸透についての4点です。また、なぜ思ったかを記入してもらった内容をそのまま記載し、どの回答に対してかをまとめます。

当社の社員構成を下記表1にしました。男性8名  女性7名

表1

 

4-1 当社は代替わりして社風はどうなったか?

①あまり変わってない。0人

②よくわからない。0人

③段々と社内の風通しが良くなっている。15人

④すごく風通しが良くなった。0人

⑤なぜそう感じるのかよかったら記入して下さい。

・一部ですが「見える化」を前より重視するようになっている。③回答

・始業時間や年間休日など社員の意見を取り入れてくれて働きやすい環境になった。ただ一部では昔の習慣が残っており、やりにくさを感じる事が多々ある。③回答

・積極的に仕事をする考えになってきている。③回答

・以前は各部署が個になっていたが、今は一体化になってきたと思う。③回答

 

4-2 当社は代替わりしてQCDに対する変化はあったか?

①あまり変わってない。0人

②よくわからない。3人

③品質、コスト、納期を少し意識するようになった。3人

④品質、コスト、納期を意識する環境下になった。9人

⑤なぜそう感じるのかよかったら記入して下さい。

・一部だけでも少しでも早い生産を心掛けている。②回答

・コスト面では今まで見えていなかった失敗した部材等を報告書として提出する事により、意識するようになった。納期についても前倒しで時間短縮する為にとは考えるようになってきた(一部)④回答

・全員が同じ意識をしているとは言えないが前に比べれば意識して改善する環境になったと思う。④回答

 

4-3 当社は代替わりしてから見える化はどうなったか?

①あまり変わってない。0人

②よくわからない。0人

③生産状況、工程、標準化が少し見える化になってきている。15人

④生産状況、工程、標準化が良く見える様になった。0人

⑤なぜそう感じるのかよかったら記入して下さい。0人

・生産状況はよく見えるようになったが、工程や標準化はまだよく見えるまではいってない。③回答

・手順書の作成開始により不慣れでも分かるようになってきた。ただ、生産における作業の標準化がまだまだ個人差がありすぎると感じる。③回答

 

4-4 当社は代替わりして理念の浸透はどうなったか?

①あまり変わってない。3人

②よくわからない。0人

③経営理念・事業理念を少し意識して行動するようになった。9人

④経営理念・事業理念をかなり意識して行動するようになった。0人

⑤なぜそう感じるのかよかったら記入して下さい。0人

・意識というか他人事に思っている人がいるのであまり変わってないと思う。①回答

・全員が意識しているとはあまり見えないが、確実に変化していると思う。③回答

・全員とは言えないが出来ていると思います。③回答

 

このアンケートによると、当社の社風、QCD、見える化、理念浸透に対して少しずつではあるが全員が改善しようと意識し、前向きに働きかけをしているという事が分かりました。

 

 

5. SL理論(状況対応型リーダーシップ)からみた自己分析と社員分析。

講義にてSL理論(状況対応型リーダーシップ)でメンバーの成熟度により、有効なリーダーシップスタイルが異なる事を知りました。そこで私(表2)と社員(表3)の分析をし、リーダーシップの有効性を高めるためにはどうすれば良いかを、4つの区分(状況)に分けて社員の状況に応じた対応をとれる様、エフアンドエム様の講義で使用した資料を使ってまとめました。

 

4つの区分内容は補足として下にまとめました。

◆S1「指示型」
・リーダーは具体的な指示命令を与え、仕事の達成をきめ細かく監視する。
◆S2「コーチ型」
・リーダーは引き続き指示命令を与え、仕事の達成をきめ細かくはするが、決定されたことも説明し、提案を出させ、前進するように援助する。
◆S3「援助型」
・リーダーは仕事の達成に向かって部下の努力を促し、援助し、意思決定に関する責任を部下と分かち合う。
◆S4「委任型」
・リーダーは意思決定と問題解決の責任を部下に任せる。
『1分間リーダーシップ』
(K・ブランチャード、P・ジガーミD・ジガーミ ダイヤモンド社)より引用

 

表2

私自身S3が一番強く、次にS2でした。自分の行動を振り返ると、人に全部任せる事や、事細かく達成を監視するのはあまり行っていなかったのを再確認出来ました。今後はS4とS1の行動をとるように意識してバランスよくなる事が必要と考えました。特にNO,2を早く育てたいのでS4を意識しての行動をとりたいと考えます。

 

表3

 

次に社員の分析をまとめました。私と同じように1番大きい数字、2番目に大きい数字、そして各数値に注目します。社員の状況に応じた対応を考え、また部門長とは一緒にリーダーシップをとれるように学びあい、会社をより良い方向にしていく資料にして活用していきます。

 

 

6. PM理論での私自身と部門長を考える。

PM理論とは、組織力を最も高くするリーダーシップ行動を導き出す行動科学の理論です。

この理論の特徴は、リーダーシップ行動をP機能(業績向上のための活動)とM機能(集団維持のための活動)に分類し、理想的なリーダーシップ行動を具体的な行動レベルで明確にすることにあります。

今回私と部門長(表4)、部門長と社員(表5)の2つで行いました。これは私自身のリーダーシップについてだけでなく部門長のリーダーシップも知り、社員とのギャップを小さくしていきながら、チームマネジメントを良くしていきたい考えのもと行いました。

表4

表5

 

私のリーダーシップは「PM型」で職場の目標達成を促進するリーダーシップ行動、職場集団の維持を促進するリーダーシップ行動共に得点が高い結果が出ました。しかし、部下によって伝わり方にばらつきがあり、私のリーダーシップ行動が、チーム全体には効果的に伝わらず部下の受け止め方のばらつきは、「規則に従う」行動のばらつきにつながり、部下のやる気を阻害する大きな原因となることもあると、コメントされていました。

部門長は「P型」で職場の目標達成を促進するリーダーシップ行動の得点は高く、職場集団の維持を促進するリーダーシップ行動の得点が低い結果が出ました。 部下からの相談や報告があなたに集まりにくくなり、リーダーシップを発揮する障害となる可能性があります。すべての点で専門知識や技術を保有している必要は必ずしもありませんが、業務の全体的な枠組みを把握するための概論的な知識の習得は必要です。また、知識を習得しようという姿勢を示すこと自体が、部下からの信頼につながってきます。昇進や昇給など将来の生活に関わることを考えると、どうしても不安にかられるものです。そのとき、「上司が自分の将来にも気を配ってくれている」と感じることができるなら、安心して仕事に臨むことができます。部下の不安を和らげるためにも、部下の昇進や昇給など「社内での将来を一緒に考える」場を設定することが大切です。とのコメントされていました。

 

この診断は早速部門長と共有しお互いの強み、弱みを楽しく話し合い、社員全員を巻き込みながら会社を盛り上げていこうという会話が出来た事もとてもうれしく感じました。

 
 

7. 今後の取り組み

SWOT分析にて会社の現状と対策に対して今までは自分なりの感覚だけで説明していたのですが、今回より会社の方針を社員に情熱だけでなく理論的に伝える事が出来ました。また、アンケート結果からも出たように社員全員が当社の社風、QCD、見える化、理念浸透に関して少しずつではあるが全員が改善しようと意識し、前向きに働きかけをしているという事もわかりました。SL分析では社員の状況に応じて対応を変えていく方法が見え、さらにPM理論では私と部門長の現状がわかりました。今まで肌感覚や熱意で行ってきた経営に数学的要素が入ってきた感じを受けています。今回スクールの論文資料として社員に色々と協力をお願いしたところ、楽しそうにやってもらえたので、今後も定期的(3カ月毎)に行って会社の理念や方向性もコミュニケーションの一つとして共有化していきます。そのコミュニケーションを活かしながら技術の承継を行っていき、より働きやすい会社、他社にはない価値を生み出す環境を作っていきます。

 

 

8. まとめ

私は「経営はパッションと科学の両方がある」「ここは恥と汗をかく場所です」と校長の言葉により、スクールに入学前と今では大きく変われました。今まで何か足りないと思っていた事が科学的な内容を活かしていない事と、恥や汗をかく量が少なかったという事でした。今回スクールで学んだ事に対して、論文で書いたものは一部でしかありません。この一部でも継続し続け、更に科学的要素を一つずつ追加していきます。一人ではこの考え方、行動にたどり着けませんでした。このやり続ける気持ちにたどり着けた機会を貰いました原田校長、名古屋カレッジの皆さまに感謝します。また、スクールに通う時間を作ってくれた社員、家族にも感謝します。

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