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修了生論文

B2Bの経営戦略

東京校 (T-college) アドヴァンス 江川 秀生株式会社エガワ 代表取締役)

動機

 

当社はエンドユーザー(支払者と納入現場が同一のお客様)とサブユーザー(支払者と納入現場が異なるお客様)の売上構成比が7:3であると思っていたが、顧客分析をした結果、売上構成比は過去3年間で以下の表1とグラフ1から4の結果となり意外にもサブユーザー売上高が高いことが分かった。以上のことよりサブユーザーに対して営業をかけることにより業績を回復できるのかを検証したい。

過去3年分の販売実績は次のとおりである。

表1

 

上記の顧客内訳を以下に定義します。(以下すべて顧客内訳の定義は同じ)

公共工事    東京都住宅供給公社物件の修繕及び入札物件の売上高

サブユーザー  支払者と納入現場が異なる物件の売上高

エンドユーザー 支払者と納入現場が同じ物件の売上高

T社      ガス開栓、閉栓、ガス工事 その他T社からの手数料業務の売上高

インターネット エコショップ下北沢のネットショップでの売上高

 

グラフ1

 

 

 

2014年販売データ

グラフ2

 

2015年販売データ

グラフ3

 

2016年販売データ

グラフ4

 

以上のようにサブユーザー売上高が過去3年みると約40%を占めている。表2は過去3年のサブユーザー売上高上位30社である。

 

過去3年分のサブユーザー売上高上位30位

表2

 

 

 

1.企業概要

 

当社は、東京ガスグループのサービスショップの東京ガスライフバル、エネスタ(群馬県、栃木県、茨城県等の広域圏のみ)、エネフィットという3種類のチャネルの中のエネフィットという看板を持つお店を主体に経営している。この3種類のチャネルの違いは、東京ガスライフバル(東京、千葉、埼玉、神奈川)とエネスタ(現在は群馬県、栃木県、茨城県の広域圏のみ)は、東京ガスから決められたエリア(ガスメーターの数で管理される)を委託され東京ガスに入るすべてのガスの閉開栓、ガスの配管工事、ガス器具の修理、販売を斡旋される。これに対し、エネフィットはエリア委託を受けていないため、エリアというものがなく独自の営業活動で顧客からガスの閉開栓、ガスの配管工事、ガス器具の修理、販売をしているお店のことを指す。

当社の営業地域は、東京都世田谷区の下北沢を中心に地域密着して事業を展開しています。本店所在地としましては、東京都世田谷区北沢、最寄り駅は小田急線東北沢駅であり、徒歩6分のところに事業所とショールームがあります。昭和39年から平成16年までは東京ガス下北沢サービス店、エネスタ下北沢店として世田谷区北沢、大原、羽根木、松原、代田、代沢地域を東京ガスからエリア委託を受けていたので顧客の数が一番集中している地域です。創業の風呂桶屋の時代から数えると当年で創業89年目となります。主な販売品目は、ガスの閉開栓(手数料業務)、ガス配管工事(東京ガスの代理工事)、ガスコンロ、給湯器、風呂釜、床暖房などのメンテナンス、交換工事をはじめ水回り設備、エアコン等、その他、住まいの設備器具のメンテナンス、販売工事をしています。

また、TOTO水彩工房(トイレ、水栓金具等の部品の販売)TOTOリモデルクラブ加盟店で水回り(トイレ、浴室、洗面所、キッチン、水栓金具)のリフォームも手掛けております。また、2005年から、楽天市場、その後、アマゾン、ヤフーにもECショップを出店し、2016年5月に世田谷区経堂に、当社、会長宅を改装し東京ガスグループのエネフィットエガワ経堂店をオープンしました。

 

ア[概要]

年商         2億7,000万

資本金        2,000万

従業員数       17名(アルバイト・パート含む)他、下請け業者4社5名(2018年3月現在)

本店所在地      東京都世田谷区北沢5-2-1

エネフィット経堂店   東京都世田谷区経堂4-32-1

 

イ[歴史沿革]

  • 昭和3年     下北沢一番街栄通りに江川風呂店開業
  • 昭和30年10月    東京ガス指定風呂店認定第106号
  • 昭和31年12月   有限会社江川製作所設立(代表取締役 江川 鉄次郎)
  • 昭和39年4月   東京ガスサービスステーション認定
  • 昭和39年7月   東京ガス下北沢サービス店
  • 平成元年3月   株式会社エガワ設立(代表取締役 江川勇夫)
  • 平成6年     エネスタ下北沢
  • 平成16年10月   エネフィットエガワ (代表取締役 江川次郎)
  • 平成17年TOTO  リモデルクラブ加盟
  • 平成24年8月   本店を世田谷区北沢5-2-1へ移転(都道54号線で東京都へ収のため)
  • 平成28年5月   エネフィットエガワ経堂店オープン(代表取締役 江川秀生)
  • 平成29年4月   現在に至る

 

ウ[顧客](2016年度実績)

  • 年間顧客器具修理接点件数   1,531件
  • 年間顧客販売接点件数     1,988件
  • 販売顧客平均単価      122,500円
  • トータル顧客件数(世田谷特に北沢、代田、代沢、大原、羽根木、松原の戸建、集合オーナーで定期的に当社からDMを配信している顧客)5,374件
  • 不動産管理会社 194件 工務店、設備店 39件
  • 昨年2016年5月、経堂店をオープン 現在経堂周辺の顧客拡大中。

 

 

3.顧客分析結果から表3のサブユーザーを中心に営業をかけていくことを最優先した。ガス関係を扱っていることを武器に空き家の無料事前点検を切り口に内装工事を含めた価格提案を行っていく。

表3

 

表3の顧客分類を定義します。

 

顧客1・・・3年連続30位以内の不動産管理会社           全6社

顧客2・・・3年以内に30位以内が1回か2回のみの不動産管理会社   全27社

顧客3・・・3年以内に30位以内が2回の賃貸オーナー         全4社

顧客4・・・3年以内に1度だけの賃貸オーナー             全22社

 

顧客1~4でガス器具のみとガス器具以外も購入していただいているお客様に分けることができるのでそこも分けてみると。

 

顧客1-A・・・顧客1の中でガス器具以外も購入しているお客様    全2社

顧客1-B・・・顧客1の中でガス器具以外も購入しているが比率10%以下のお客様 全4社

顧客2-A・・・顧客2の中でガス器具以外も購入しているお客様     全8社

顧客2-B・・・顧客2の中でガス器具以外も購入しているが比率10%以下のお客様 全19社

顧客3-A・・・顧客3の中でガス器具以外も購入しているお客様     全4社

顧客3-B・・・顧客3の中でガス器具のみ購入しているお客様      全0社

顧客4-A・・・顧客4の中でガス器具以外も購入しているお客様     全12社

顧客4-B・・・顧客4の中でガス器具のみを購入しているお客様     全10社

 

表6は既存客ですが今後新規に開拓していく顧客として

新規顧客1・・・経堂地区周辺の新規の不動産管理会社        現在0社

 

 

4.2017年10月からの取り組み内容

 

(ア)既存顧客の中で顧客1-Aと顧客1-Bと顧客3-Aに対して、社長と2人の営業マンでインタビューをして経営戦略が正しいかどうかを検証する。また、インタビューと同時に顧客1-Aに関しては内装工事、顧客1-Bに関しては水回り、内装工事も行っている旨周知していく。間違っていなければ東京ガス色の強いパンフレット作成に進む。

 

(イ)東京ガス色の強いパンフレットの作成。価格表の作成。

 

(ウ)顧客2-A と顧客2-Bに対して顧客1の部類に入るように、まずはガス器具の価格等で合わないのであればそこを合わせていくと同時に顧客2-B に対しては水回り、内装工事も弊社で行っている旨周知していく。

 

(エ)顧客4-Aに関しては内装工事、顧客4-Bに関しては、弊社で水回り、内装工事も当社で行っている旨を周知していく。

 

(オ)顧客4-Aと顧客4-Bに関しては、営業2人以外の顧客もいるので横展開する。

 

(カ)新規顧客1に関しては営業2人で飛び込み営業にて上記の提案をしていく。

 

 

5.2017年10月からの取り組み内容の結果

 

(ア)に関して、実際に不動産会社に対して一日3件巡回をかけてわかったことは、まず空き家の事前点検から内装工事を受注するというのは入居前では、タイミング的に遅く不動産管理会社からのニーズとしては、前の入居者が退去時に立ち合いで入居者負担かオーナー負担なのかの仕分けをしてくれる業者を求めていて、実際は入居前の点検ではなく原状回復工事を受注しないと内装工事が取れないということに気づかされた。

また、電話のコール件数が減っているので売上を上げている上位の不動産管理会社にインタビューで聞いた結果、売上上位の不動産管理会社の担当者は、当社の電話番号を覚えている、または、短縮ダイヤルに登録されている、カレンダーがかかっている等の話を聞かせていただいた。その結果、カレンダーを配ることは有効であるということがわかった。

 

(イ)の東京ガス色の強いパンフレットは(ア)の理由により一度見合わせて、原状回復工事の工事単価表を作り今後、価格、現場での実績写真等の統一を図って巡回をかけていきたい。

 

(ウ)に関しては最近ガス器具の発注が来ない不動産管理会社のヒアリングを行った結果給湯器の価格相場が当社より3万以上安く00,000円であるということがわかり、管理物件数の多い3社に対して00,000円の価格表示を行った結果、給湯器の発注が来るようになった。

また、2018年1月後半から2月にかけて氷点下で給湯器が凍結し内部が破裂し水漏れするという現象が起こり、10月以降巡回した不動産管理会社に対して給湯器の価格対応をしたため、凍結パンクから交換に結びつく発注が増えた。

2017年1月25台、2017年2月17台に対して2018年1月30台、2018年2月39台と2か月の合計で27台増の対前年比164%増しという結果となりました。これは、気候に左右されているとはいえ10月より不動産管理会社への巡回と価格対応を行った結果であり、もし価格対応ができていなかったら当社ではなく他へ流れていたことは十分に考えられる。

 

(エ)に関しては、現在お抱えの業者がすでにいるので今後徐々に営業をかけ、まずは1件から当社でやってもらえるよう引き続き継続提案していく。

 

(オ)に関しては、まだ手つかず状態なので今後2018年4月以降に取り組む予定である。

 

(カ)に関しても、まだ手つかず状態なので今後2018年4月以降に取り組む予定である。

 

 

6.上記以外の取り組み。(B2C含む)

 

電話のコール件数が低迷している中、11月、12月という年末ということもあり当社の電話番号の入ったカレンダーを2000部作成し、過去10万以上お買い上げの実績のあるお客様を中心にポスティングを実施した。ポスティングの結果から年末は大掃除というニーズもあり、古くて油で汚れたレンジフードを買い替えたいというお客様や平成24年に北沢2丁目から北沢5丁目に当社が移転して以来、当社と連絡が取れなかったというお客様からカレンダーの電話番号をみてやっと連絡がついたのでコンロを買い替えたいとの連絡等が相次いだ。

 

7.今後の対応、改善点と監査方法

 

現在、不動産管理会社への営業を中心に2017年10月から取り組んだ結果、原状回復工事を受注すること、給湯器の価格対応しボリュームを上げることを行ってきました。原状回復工事に関しては、2018年3月26日よりアルバイトではありますが以前に原状回復工事を不動産管理会社に営業した経験のある人を採用できました。

今後、社長と営業マン2名とその経験者を含む4名で4月以降不動産管理会社に訪問し原状回復工事を受注していきたいと考えております。

現在、取組から原状回復工事の受注ができているのが2社。月売上高30万円程度。今後、2018年度は、営業マン一人当たり月に10社300万を目標に取り組んでいきたい。

また、上(エ)の賃貸オーナーに対しても当社に内装工事ができることの認知度を上げていきたい。

そのためには、

 

①まず訪問頻度をあげる。

②価格表と当社で原状回復工事を行った事例集を作り不動産管理会社へ提案する。

③小さい工事に対しても対応し信用をつけていく。

 

以上の3点を週1回のペースでミーティングし共有していく。

また、年末には昨年度、反響のあったカレンダーを製作し再度早い時期からカレンダーを配っていきたい。

 

 

8.まとめ

 

以上のことより、不動産管理会社に対して営業をかけていくことにより業績を回復させるとは十分可能であるということがわかりました。

また、定期的に訪問することによりガス器具の相場観等もわかることができた。今後、サブユーザーに対して戦略的に取り組むことにより収益の柱にしていきたい。

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