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修了生論文

「スクールでの学びをどのように活かすか」

福岡校(F-college) 松本 里美 (株式会社壽総合建設 )

1.学びの動機

株式会社エフアンドエムからF-collegeの案内を頂いたときは、「久しぶりのスクール通い」・「期間半年、務まるのか」ということから内容には興味がありましたが、参加をためらっておりました。ところが、担当の吉田さんより「松本さんは、是非参加された方がいいと思います」と、いつになく熱心に勧められ「体験だけでも行ってみようか」という軽い気持ちで参加しました。

参加した結果、興味深い内容と講師の魅力あふれる話術に魅せられはしたのですが、それでも「自分はついていけるのか」という不安は拭えず「返事はまだいいですか」と先延ばしにしていました。

 

わたしは20歳の頃に病気をし、10数年間にわたり病院通いをしておりました。皆が卒業し、就職し、社会人になって生き生きとしている時です。当時は劣等感があり、何か投げやりな感じがありました。社会の常識というものが足りないことも、恥ずかしく思っておりました。

その後一応、父の会社に就職したという形を取り、会社の事務を手伝いました。別に自分が居なくても、なんとかなりそうという甘い気持ちを持ち。仕事は前から働いている先輩のにお任せ状態でした。責任感も無く、何とかなるでしょうという感覚でした。仕事はほどほどに、趣味の会やボランティア活動などに精を出しておりました。

 

そんな中、10年ほど前、父が事故に遭い瀕死の状態となりました。そして、そこから一年かけてリハビリが出来るようになりました。作業療法士さんのもと、腕立て伏せで指定回数を超えるようになりました。

限界まで頑張り倒れ込む父の姿を見たとき「私はこの親の子として恥ずかしくない自分になりたい。」という思いが涙と共に込み上げてきました。

ちょうどその当時、当社で不正が見つかり、今まで任せていた方が居なくなりました。今度は自分が主体となってやっていかなければならない状況です。

 

それから就業規則の作成から始まり、さまざまな手続きを通してF&Mにお世話になっておりましたが、こちらの事情もありしばらくは面会などの軽い付き合いのみでしたが、ある時からF&M主催の色々なセミナーに目が留まるようになりました。内容はかつて自分が学べなかったこと、また学びたかったことでしたが前述の劣等感から、なかなか参加に踏み切れずにいました。そんな私でしたが、吉田さんとは、何でもそのまま話せましたし、またアドバイスもわかりやすく安心して時を過ごすことができていましたので、彼の口からカレッジの講師は「私が一番尊敬している上司です。」とおっしゃられたのが今思うと私の最終決定の鍵となったのかと思います。

 

 

2.学びの活用による現状の課題解決

これまでの学びを活用し、当社では、以下3つの現状の課題解決について考えます。

  1. ランドリー部門がの部門別損益が赤字である
  2. 業務の非効率部分の存在
  3. 土木部門の売上を伸ばすための具体的な施策を考える

 

課題1. ランドリー部門について

20年前よりはじめた当該部門は、時間の経過による慣れと、売上が小さいということであまり意識していなかったが、調べてみると平成20年より売上高が徐々に落ち、直近の3年間は赤字が続いている。

主な原因について調べると以下のことが分かった。

・営業時間の変更 (当時の担当者より変更の提案があり2,3年前より変更)

・同業他社の進出

・光熱費(ガス代)の値上げ

そこで、「利益率を上げるためにすぐできること」を考えると以下のようになった。

・人件費の削減   パートを廃止し、自社職員でまかなう

・経費の削減    マット等の交換頻度の変更

・営業時間の延長  1時間遅くはじめ2時間延長  年中無休

以上を実行に移すために以下のことを行った。

・前任者の暮らしはかなり朝型という事実を確認

・ここ数年戸建が周囲に増えたので若い家庭持ちの方数名に、「夜は何時ごろランドリーを利用したいか」確認

・日々の売上が一目で確認できるシートを作成しリアルタイムでの可視化

平成9年4月オープンしたランドリーの売上、利益率を売上が下がりだした年より表にまとめた。

 

ランドリー部門において1か月間、出来ることを試みると次のような変化や気付きがあった。

・H29年1月の売上高が、前年度比20%増加

(天候にも左右されるが、過去5年の1月売上のトップは前年度H28年)

・現場を自分で見ることで利用者の声を直接聞けた。

・花粉症などで外に干せない人が増えていることがわかった。

・数値として変化が見えることで、仕事が楽しくなりもっと改善したくなった。この部門に愛着がわいた。

・今までの仕事は詰めが甘かったことに気付いた。

・防犯カメラのネットを使いWi-Fi環境を作るのも利用者目線で有りではないかと思った。

 

評 価: 1部門の分析から見えてきた現状は、まだまだ改善の必要があるということです。スクールでの学びを生かし、ロジカルシンキングで仕事をすることで、かなり成果に差がでることに気付きました。また、仕事をしているつもりで日々を過ごしていたと感じました。今後、さまざまな仕事について考え効率化していくことはとても重要な事だと思いました。

 

課題2.業務の効率化

ランドリー部門の見直し、また校外学習での「しばた工芸 社内見学」から、当社でも今ある仕事、物、仕組み(制度)を改善し業務効率を上げるため、まずは3S(整理・整頓・清掃)をしていこうと思います。今回は事務部門における仕事内容・問題・解決策を考えます。

 

(事務部門の仕事とは)

日・月・年単位での様々な仕事を滞りなく進めるためにマニュアルを作成、及びそれに関する書類等を可視化し「業務引き継ぎが5日でできる」を目指したい。

 

(業務内容の一覧)

①売上管理  : 浄化槽 ・ 汲取 ・ 工事 ・ ランドリー ・ 太陽光

②給与管理  : 日報・有給・年末調整・住民税・社会保険・雇用保険・保険

③支払い管理 : 未払請求書・借入金・自動車保険・税金・退職金積立

④書類管理  : 就業規則・決算書・保険証券・リース契約書・借地及び賃貸契約書

名簿・広告見本・資格証・交際関係書類 ・定款および議事録

・登記関係書類

⑤申請手続き : 建設業・清掃業・サービス業

 

(業務内容におけるそれぞれの課題)

①売上管理

・各部門の売上動向が月毎にひと目でわかるように可視化できる表を作る。

・浄化槽の年間維持管理契約における売上高・売掛金の把握をスムースにできるシート作り。

・顧客データ管理を行い、今後の土木部門営業に役立てる。

例:「汲取 → 合併浄化槽」「単独浄化槽 → 合併浄化槽」への転換

汲   取:し尿のみを汲取

単独浄化槽:し尿のみ処理する浄化槽(環境汚染率が一番高い)

合併浄化槽:し尿及び生活雑排水を処理する。環境負荷が少ない家庭の生物浄水システムで災害に強い

・担当者毎の浄化槽売上において管理件数及び回収率を確認し、評価や改善に役立てる。

・汲取売上過去10年の売上確認し、今後の人口変化による収入予測をする。

・ランドリー部門の乾燥機売上とガス代の割合を出し、年間使用料等を把握、価格調査及び交渉をする。

 

②給与管理

・有給や社員名簿の可視化(扶養家族の確認 変更があった場合の提出書類を作成)

・社会保険手続きの整理(手続き一覧マニュアルの見直し・年間保険料の把握・収納箇所の整備)

・雇用保険手続き整理 (             〃               )

・保険管理 (証券保管場所の整理・保険期間および支払金額の可視化)

 

③支払い管理

・借入金・自動車保険・税金・退職金積立、それぞれにA4で可視化し一括ファイル管理し、全体の中で占める費用割合の把握

 

④書類管理

・それぞれを業務ごとに見やすく管理できるよう、収納箇所の整備(色分け・ラベル等で工夫)

 

⑤申請手続き

・手続きごとのマニュアル(申請場所・手順・見本・取得書類等)を再度見直し、収納箇所の整備

・年間申請スケジュール表でチェックする。

 

まずは上記課題を、「時系列・作業効率・見た目の美しさ」を意識しながら整備し、不要なものを整理し快適な環境を作る。その後、備品管理や購入履歴、修理記録など少しずつ改善していきます。

 

課題3.土木部門の売上向上

(課題)

 当社は汚水処理業務を通じて、地元の水環境の整備に貢献することを使命とし、田川市において浄化槽整備を進めていこうと考えています。現在、国が示した「新マニュアル」による「汚水処理の10年概成」は、市全域の汚水処理人口普及率を10年で100%にすることです。

(普及率:田川市 約60%  全国約90%  福岡県政令都市を除くと約82%)

また、田川市の水源である彦(ひこ)山川(さんがわ)・中元(ちゅうがん)寺川(じがわ)の汚れが進み、下流の遠賀川への影響も問題とされています。そこで当社が目指すのは、現在未処理の生活雑排水、汲み取り式(簡易水栓式も含む)及び単独処理浄化槽(1番の汚染源)の合併転換を進めていくことです。

下の図はそれぞれの水の放流による河川への影響を示したもので_は未処理水の%です。

※合併浄化槽の除去率は90%で10%が未処理で放流されるが、これは自然の浄化作用で処理されると言われています。

 

(改善策としての新しい営業手法)

(ア)顧客リストを基に、ターゲットを絞り、ターゲットごとに現状の問題や理想像を可視化したパンフレットを作成する。

(イ)ペルソナ作成(年齢・性別・職業・年収・居住エリア・商品イメージ利用時の気分 購入のきっかけ利用場面の特徴)からのデザイン思考をしつつ、内容に以下の項目を含む。

①和式トイレ→洋式トイレ

②簡易水栓にて割高料金を支払っている家庭に対してのコスパ比較の表示

③築年数が20年以上の水回りの改修 快適空間の提示

④全ばっ気式(汚染率が最も高い浄化槽)

⑤河川浄化活動の案内

⑥田川市の補助金制度の案内

⑦見積無料

⑧維持管理もできる設置業者でアフターも心配なし

⑨配布方法:汲み取り作業時、浄化槽点検時に配る。

作成資料:

1. パンフレット

2. 見積り打合せの際の用紙(顧客情報・現場チェック項目・注意点・予定工期・施主の要望等)

3. 施行例

4. 配布履歴が残る表

 

監査項目及び期限

仕 事 内 容 期 限
1 売上管理ができる浄化槽顧客名簿の作成 3/31までに作成
2 給与管理関係書類の整理 5/15  〃
3 事務空間の可視化 盆前  〃
4 申請マニュアル 次年度申請時に1年間で完了
5 パンフレットの作成 4月末日
6 PR映像の作成 4月末日
7 浄化槽工事関係書類作成 4月末日

 

期限後の確認

上記課題の仕上がりを5月末までに部門全体で確認し、その時点で出来ていないものがあれば、出来なかった理由を確認し、継続して追跡する。 また、これらの改善を毎年行い、よりよい環境整備、業務改善を継続する。

 

 

終わりに

「心をベースにパートナーシップ」

 

このスクールに参加し、ビジネスに必要な基礎知識を学びながら共に学ぶ仲間ができたことは私にとってかけがえのないものでした。短い期間の間には、様々な課題、テストとストレスになることも多かったのですが、終わってみるとそれがいい経験になったと感じるのが不思議です。また、沖縄、大阪、東京のスクールとのMix Collegeでは、魅力あふれる方々との出会いがあり、楽しい経験と共に視野が広がったように思います。

 

仕事を進めていくために、大切なことは「健康であること」、「良い関係性を築くこと」だと気付きました。そして良い関係性のベースに欠かせないのが心です。人生には仕事やプライベートでさまざまなことが起こります。よい時は良いのですが悪いことが起こったとき、心に穴が空いたとき人は力を失います。そんなとき相手の暖かい一言や行動に目に見えない心をはっきりと感じることができます。その心のぬくもりに触れた時、元気という力を頂きます。

 

私は元来、人と接することに抵抗があり、黙々と何かを作ったりする方が好きだったのですが、元々持ってなくても、足りないものは学びや訓練で補うことが出来ることを教えてもらえたことを生かし、家族、会社、仕事、様々な場面で、人とのより良い関係性を作っていくことを自身の課題として頑張ろうと思います。どんな経験もいつかはきっと役に立つ。必要な時に必要なものは与えられる。今からすぐにできること「朗らかな笑顔を忘れずに」身近な家族、会社の仲間とのより良い関係性づくりからはじめます。

 

 

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