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修了生論文

当社の現状分析と自分の作りたい会社

東京校 (T-college) 広瀬 雅典

1. 【動機】

家業を継ぐと決めてからいろいろと模索してきましたが、事業が拡大していくなかで自身の能力に不安を感じることが多くあります。日々の作業に責任を持って取り組む従業員や当店のお菓子を購入してくださるお客様に対して、もっと良い思いをしてもらいたいと考えます。そのために、志や信念を自分の中から見つけ出し、漠然と思い描いている作りたい会社を具体的にしていきたいと考えます。

 

 

2. 【問い】

一. 理想とする会社の条件は何か?

二. どんな会社にしていきたいのか?

三. その為には何が必要か?

 

 

3. 【企業概要】

屋号 お菓子処 ひろせ
所在地 茨城県水戸市曙町10-8
創業 大正5年
代表者 廣瀬 良子
従業員数 54名(男性12名/女性42名)

 

曾祖父により創業してから地元に密着した商売を続けていましたが、年号が平成になる頃には店舗前の道路で交通量が増加し、当店は駐車場がないため近所からの苦情が増えます。このことから、3代目となる父が経営方針を変換して都内の小売店へ卸販売を始めます。

その後、専門店や商社のPB(プライベートブランド)を手掛け販売の規模を大きくしてきました。現在は、店舗を移転し卸売業と並行して営業を展開しています。

主力商品としては、医療施設や介護施設等の給食へ提供するデザートの和菓子類、菓子の専門店へ向けたPB商品、地元の素材を使用した郷土菓子などになります。

 

 

4. 【現状分析】

 

4-1 従業員の現状

従業員はパート・アルバイトが多く時間の制限やローテーションの都合で、工場をフル稼働するには至っていません。また、若い年代(30歳迄)の教育が難航しており能力、定着率と共に低い水準であるといえます。そのため、残業する場合は一部の従業員に負担が集中することになり、効率とモチベーションの低下が起こっていると考えます。

その中で、ここ数年は入れ替わりをしながら従業員数が増加していますが、作業における教え方に個人差があり、担当によって表現の違いや新しい方法を確認していない場合など全体の統一ができていません。

 

4-2 お客様からの要望

卸業務は、医療施設や介護施設等へ向けた和菓子を中心に年々微増しており、生産効率の改善だけでは受注数量に追い付かず作業時間の延長が求められています。また、新規の商品開発・販路の拡大も打診があり、要望と供給できる商品に差が出来てしまいチャンスをロスしています。

店舗においては、進物商品を中心に販売額が伸びていることから移転してからの地域浸透は進んでいると考えられます。店頭で受ける質問では、要望として地域の特別なお土産を求める声が増えてきました。

新しい工場設備のもとで高い基準の衛生管理や商品クオリティの維持していることで、評価いただき新規のお客様をご紹介いただくことに繋がっています。

 

4-3 自社分析

現状の自社をSWOT分析によって書き出してみます。

 

【自社のSWOT分析】

≪内部環境≫

≪強み≫

a. 専門で販売できる商品クオリティ

b. 専門店ならではの品揃え(オリジナル商品の開発)

c. 衛生管理や製造管理を記録に残し、作業員の意識向上に努めている

d. 清潔な作業環境

e. 設備、福利厚生の強化を進めている

 

≪弱み≫

a’. 量産品でも高めの卸値

b’. 作業員の能力差が大きい

c’. 指導の内容が人により違う(新しい内容が浸透していない)

d’. 作業員の不足(仕事量に対する人数、作業内容に対する能力)

 

≪外部環境≫

≪機会≫

A. リピートを得られる商品力で顧客の獲得 (a.)

B. オリジナル商品に対応し特別感を提供できる、お客様の細かいニーズに対応できる (b.)

C. 管理の徹底により商品、環境のクオリティが高い水準を維持できる、改善点を検討しやすくなる (c.とd.)

D. 新しい設備の導入により効率化、商品開発、品質向上の機会が増す (e.)

E. 労働意欲や職場環境の改善により長期雇用を創り出す (e.)

 

≪脅威≫

A’. 量販卸の減少 (a’.)

B’. 能力の高い作業員が退職した際、商品クオリティ維持が難しい (b’.とc’.)

C’. 生産能力の減少、作業時間の増大による疲労とミスのリスクが高まる (d’.)

 

4-4 自己分析

自分自身をSWOT分析に当てはめ分析をしてみます。

 

【自己のSWOT分析】

≪内部環境≫

≪強み≫

a. 業務において一部の決裁権を持つ

b. 学びを得る機会が多い

c. 社内の業務を把握し、必要な知識も多い

d. 相談できる人が多い

 

≪弱み≫

a’. 一般的な知識が足りない

b’. 面倒ごとを後回しにする

c’. 飽きやすい

d’. 従業員とのコミュニケーションが少ない

e’. 意志が弱い

 

≪外部環境≫

≪機会≫

A. 導入や業務をスムーズに進めて、問題(要望)に早い対応ができる(a.)

B. 新しい取り組みや問題の解決に助力を得られる(b.d.)

C. 全体を見通して効率化した流れを作ることが出来る(c.)

D. 事業を円滑に進める為の情報や教訓を得られる(d.)

 

≪脅威≫

A’. 世間の流行や話題に乗り遅れ商機を逃す(a’.)

B’. 必要な業務が滞り対内・対外問わずに支障をきたす(b’.)

C’. 新規の取り組みに継続性がなく改善が進まない(c’.e’.)

D’. 経営側と従業員側で危機意識に差が出て業務に影響する(d’.)

E’. トップに立った時に空回りしやすい(d’.)

 

 

5. 【分析結果】

 

5-1 自社分析から見える事

先ずは、マイナスの要因となるa’.とA’.において販路拡大の障害になる可能性を懸念されるが、自社のブランド力を強化して購入者の満足度を向上させることで、プラスの要因へと改善ができると判断して値下げせずに良いと考える。

次に、b’.とc’.に対しては新しいマニュアル(動画を含む)の作成と浸透に努めることで改善でき、B’.に対しても作業手順やコツの共有を目指し資料(動画を含む)を作成、活用する。これは新しい試みであり、このスクールで学んだことを実践落とし込むことで可能となる。

当社の持つ商品クオリティや品揃えといった専門店としてのプラス要因を活かして、次の購買や新規顧客の獲得へつなげ顧客の定着と卒業に対応する。また、併せてニーズや流行を積極的に取り入れ展開できる体制を整えていく必要が感じられた。

工場設備や商品については良い面が多いが、従業員の不足が大きな問題であり、定着率と能力の向上は当面の大きな課題となる。

 

5-2 己分析から見える事

先ずは、今回のスクールで一番感じたことだが一般的な教養が足りていないことがあげられる。自身の持っている「世界観」「人間観」「歴史観」といった価値観を作り上げる要素が貧弱に感じられ人としての深みが無いと感じられる。これについては、これから挽回をする必要があり、身に着けることで広がる世界に期待が持てる。

次に、面倒に感じる物事に対し後回しにしてしまうことや飽きやすく意志が弱いところなど、精神的に未熟な点が多くでていた。自身のモチベーションを維持する難しさと核となる思いが明確にできていないことが要因の一つであると考える。

また、業務以外でも時間に追われて従業員とのコミュニケーションが不足している点は、自身の目指す会社作りでは重要な改善点となる。これは、その質と量のどちらも向上する必要を感じているが、具体的な策は出ていない。

これまでの対応をするにあたり、既知を得てきた方々からの助言や外部における研修を導入して自身だけで抱え込まないよう行動する必要がある。

 

 

6. 【現状と目標との相違点】

まずは、理想とする会社の条件を定義づけします。そして、現状のどこに問題点があり、改善したいと考えているかを洗い出す必要があります。それにより、目指すべき方向性を決め指標の一つとします。

 

≪理想の会社の定義≫

1. 地域・社会に必要とされる会社であること

2. 顧客に対して満足を与えられること

3. 社員が進んで仕事にあたれること

4. 自社の商品に自信を持てること

5. 社内も店舗も笑顔が溢れていること

 

特に重要だと考えている5つの項目です。

1.と2.については具体的な指標を準備していないので、今後どのようにして確認をするかを設定する必要があります。

3.と4.については社内での面談(個人・グループ)を一つの手法として、社風として浸透できる環境をつくりだします。

5.については、まさに理想です。人の好い感情が好循環を生み出す環境を目指します。

 

≪現状の問題点≫

1. 社内全体で意思統一が出来ていない

2. 組織として体系が出来ていない

3. 仕事に対する目標設定と検証が出来ていない

4. 仕事量に追われて社員教育が疎かになっている

 

大きな問題として気になるのはこの4つです。

1.は経営陣>管理職>現場担当者といった感じで、危機意識や管理意識において差が出ています。また、作業にあたる姿勢もこれに準じているように感じます。

2.については会社規模が大きくなる中で構築しきれなかった部分です。役割の分担や指示系統、責任の所在が曖昧になっているところがあります。

3.はより効率化を図るうえで必要と感じていましたが、作業内容の明確な線引きが難しく設定が曖昧なことと、担当の入れ替わりが多いことから見送っていました。

4.年間計画の中で一番調整の難しい問題です。担当者のレベルにあった研修の準備と生産計画の調整でバランスが取れず、画一的な衛生管理や整理整頓の講習になっていました。

ここまで考えることはできましたが、具体的な内容はより細かなことを確認していく必要があると考えます。そのため一先ず、大きな分類として上記の項目を設定します。

 

 

7. 【改善策】

 

7-1 自身のリード診断による部下との接し方

今後の取り組みとして最も必要なことは、従業員とのコミュニケーションだと感じました。「自身の目指す会社について」、「考え方」、「学んできたこと」、「伝えたいこと」まだまだ知ってもらいたいことや教えてもらいたいことが沢山あります。今回はSL理論を活用することで、スクールでの学びを自身に落とし込みます。診断の結果とすぐに始められる取り組みを書きだしました。また、この面談を切っ掛けとして部下達と話す機会を増やし、委任できる信頼関係を作り上げます。

 

自身の結果:主にS2、次にS3へ偏り、部下に委任することが苦手な傾向にある。

①自身の抱える仕事の割り振り(委任)について各担当者と面談をして見つけだします。

②SL理論の状況を利用してお互いの問題点を共有し、改善策を相談します。

③リード診断表を活用した教育、面談を進めて次の方法を模索します。

 

7-2 各担当責任者に対するリード診断(スクールで使用した表を活用)

≪実施日時 H30.3.17≫

対象≪1名以上指導したことのある従業員≫

・工場(17名)

・総務(4名)

・店舗(4名)

 

7-3 各担当責任者とSL理論を含めた面談

対象に対し診断表を基にした面談を行い自身の傾向と強味、または問題点を共有していきます。今回は時間の都合で総務の4名と面談をして、その後は随時面談を進めていきます。

 

[1人目]責任者

結果:主にS2、次にS1へ偏り、部下に委任するより指示が先に出てしまう傾向がある。

①立場として委任することを学んでもらう必要があり、まずは意識して仕事を進めてもらいます。

②指示は的確なので部下に考えさせる(意見を出させる)ことを目標の一つとします。

 

部下を育てることに意識を置いてもらい確認、報告を受けやすい状況を準備します。委任できる部下の育成が目標となりました。

 

 

[2人目]

結果:主にS3、次にS2へ偏り、後輩に委任することが苦手な傾向にある。

①後輩から意見を吸い上げるのが得意で、当人の能力も高いが指示を出すことが若干苦手でした。

 

後輩の育成において説明力の強化が必要になります。自身の理解していることを噛み砕いて教えるのが目標となりました。

 

 

[3人目]

結果:大きくS2へ偏り、後輩に委任するより指示が先に出てしまう傾向がある。

①自身の考えに固執して細かな支持を出してしまうことがあり、意見を吸い上げることが苦手した。

 

考え方を柔軟にして対応することが求められます。上司や先輩の話(意見)を聞き考えの幅を広げることを目標とします。

 

 

[4人目]

結果:主にS2、次にS3へ偏り、後輩に委任できない傾向がある。

①自身で処理出来てしまうため委任することに慣れていない。作業は早いが、見落としや間違いが見受けられる。

 

後輩を育成するためには、自身のうっかりを改善する必要があります。作業に対し理解を深め丁寧に進めることが目標となります。

 

 

2回目以降の面談で実際の対応と結果について確認し、目標の再設定をおこないます。

 

 

8. 【まとめ】

今回このスクールを進めていくことで、自分自身と深く向き合い考える機会を多く得ました。リーダーとしてどのように行動するべきかが明確になり、漠然としていた会社の将来について道筋を描くスタートラインへ立つことが出来たと感じます。そして、感じていた不安に対しても簡単で明確な答えがありました。一言でいえば“勉強”です。このスクールでは何を学ぶべきかが分かりやすく、答えの探し方、学び方に気づくことが出来ました。

今後は学んだことを活用して、確りとした組織として体系化すること、会社の方向性を明確にすること、勉強を続けられる環境を作ることの継続が必要になると考えます。そのために、今回の面談を始まりにして今まで以上の密なコミュニケーションをとり、学びと検証を繰り返し自身の成長と従業員の育成に努めることが重要だと思いしりました。

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