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修了生論文

スクールで学んだ事をどのように活かすか ~経営者として理念と今後のビジョンを考える~

大阪校(O-college) 塩田 陽子

研究の動機

今回、研究のテーマに『スクール学んだ事をどう活かすか~経営者として理念と今後のビジョンを考える~』にしたかと言うのは、今期より、父親の跡を継ぎ、社長職に就いた時自分自身がどの様な経営者で有るべきか、このスクールで学んだ事から考えて行きたいと思い研究のテーマにしました。昭和59年3月に、前社長(実父)が、有限会社マキシマ電業として電気工事会社を設立しました。

 

前社長は、親族の私が言うのもおこがましいですが経営者として凄く尊敬しております。長崎から親戚を頼り単身岡山で就職し、最初の会社で25年技術と管理を身に付け退職時、当時の部下が11人一緒に退職し、父の後を付いて来たそうです。退職後も当時の父を良く知っている社長さんが、わざわざ父達の為に電気部を作って下さったそうです。新しく勤めた会社も業績が良くなるにつれ身内の方からの風当たりが強くなり5年で退職し、会社を設立しました。電気工事業(建設業界)はどちらかと言うと男社会ですので、父も本当は誰か部下に跡を継いで貰いたかたったみたいですが、父に付いて来た部下達も父とさほど年齢も変らず、また父もなかなか自分自身が引く事も出来ず、ただ私か身内だからと言う感じで私が社長になったと周りや社員も思っていると思います。

 

数年前までは、「担ぐ御輿は軽いほうが楽」と思い、現場の知識の無い自分が社長をする事が社員自体も楽なのではと考えておりました。ただ、ここ最近はやはり会社としてきちんと組織つくりをし、目標・目的意識を社員と一緒に持ち、「はりぼての御輿」ではなく、「軽量で丈夫な新素材の御輿」で皆に担いでもらえる様な経営者を目指したいです。今回のビジネススクールで学んだ知識をもとに、建設業界の中で勝ち抜くためにも、今後の理念と経営ビジョンの作成は急務と考えております。

 

 

会社概要

商  号  株式会社マキシマ電業

創  立  昭和59年3月1日 (創業34年)

資 本 金  21,000,000円

代 表 者  代表取締役 塩田 陽子

従業員数  15名 常駐外注 8名
年    商  3億円

業  種  建設業 電気工事業

営業種目  1.各種工場電気設備施工

2.各種プラント電気設備設計施工

3.官公庁電気設備設計施工

4.各種盤類設計製作

5.前号に付帯又は関連する一切の事業

 

会社沿革  昭和59年3月1日  有限会社マキシマ電業設立

昭和62年7月1日  株式会社マキシマ電業へ組織変更

平成 3年7月8日    現在の地に新社屋建設、移転

平成29年11月1日 代表者の交代

塩田 陽子が代表取締役に就任

 

 

第1章 現状分析

私自身が、二代目としてやって行く上で、自社のいる業界の問題点や、自社の強み、弱みをを知る為に現状分析し、自社の課題を見つけようと思う。この業界自体が、男性社会的な所があるが、最近は女性の後継者も少しずつだが見受けられる。出来れば、女性的目線に考察も入れて分析して行きたい。

 

1-1 マキシマ電業のSWOT

強み(Strength)

(ア) 技術力には自信

(イ) 県内以外での仕事も可能

(ウ) プラント、水処理場(上、下水処理場)の仕事が得意

(エ) 安定した取引先

(オ) 会社の規模の割には、技術管理者が多い

 

弱み(Weakness)

(ア) 公共の見積、管理が不得意(元請)

(イ)社員の高齢化

(ウ) 新人育成の不得意

(エ) 営業力

(オ) 組織力

(カ) 3K

 

機会(Opportunity)

(ア) 水処理、プラント関係の工事の需要

(イ) 特殊工事の工程管理、技術力

 

脅威(Threat)

(ア) 価格競争

(イ) 人材不足

(ウ) コンプライアンスの意識の低さ

(エ) 3K

 

ファイブ・フォースモデルによる業界分析 (建設業・電気工事)

 

 

1-2 クロス分析

強み×機会

→ 得意分野の施工での品質を保持

→ 資格取得・教育の徹底

→ 安全(KY活動)の徹底

→ 顧客の監督へのサポート

 

弱み×機会

→ 顧客に関する情報をデータ化し共有する

→ 中間管理職の教育

→ 業務体制の明確化

 

強み×脅威

→ 施工の提案

→ 品質の良いサービスの提供

→ 技術者のスキルの可視化

 

弱み×脅威

→ 外注調達

→ 無理な価格競争はしない

→ コンプライアンス等の情報収集

 

1-3 分析から

自社の強みとしては、電気工事の中でも水処理場関係の施工に関しては同業者の中でも、技術、スキルは高い方だと思っている。ただ、この様な案件はメーカーからの下請けが多く自社が直接元請として施工する事は無く、下請けと言う立場元請からの価格要請がある。

 

良いサービスの提供で、価格以上の価値をつけていく様にしたい。重量物が絡む施工も自社の得意分野である。特にこの様な施工案件は事前の準備や工程管理等の工事以外の間接的作業が多く、この間接的作業を若年者に覚えて貰うためにも、教育指導が課題。従業員各自の資格などを纏めたスキルシートで管理し、必要に応じて資格を取得させていく。

 

人材不足など、現状の物理的に難しい事に関しては、外注やアウトソーシングなどを検討して行くようにしたい。SWOTで弱みの部分を見ると、自社の一番の課題が見えて来た。技術力はあっても、若年者の指導育成が出来ない。一昔前の背中を見て覚えろのが良いことだと思っている。また、組織として役割が明確でないので、言われたり、指示が無いと行動しない。コンプライアンスやマナーにも、この感覚が通ずる。特に、この弱みの部分を軸に、今後のビジョンを作成していこうと思う。

 

 

第2章 先代社長からの教え

私にとっての経営者とは、一番身近な父親です。また、今回スクールの中で起業家研究で研究した、金子直吉が仕えた鈴木商店の店主の鈴木よねは、同じ女性として良い所を見習うべき経営者と思ってます。修了論文を書くにあたり、父が、社長として経営者として気をつけていた事を聞いてみました。

 

2-1 父が社長として、経営者として気をつけていた事

①社員を平等に扱う。

自分が会社を興した時に、今までの上司の立場では無く社長として、贔屓なく

平等に接すると決めた。

②顧客に対するマナー、振る舞い

お客は施工はもちろんの事、人(社員)を見て次回の仕事をくれる。

社員の教育は社長の責任。

③整理整頓

上のものが自ら片付け、掃除をすれば、下の者もその姿勢をみているはず。

また、見えない車の中や、倉庫は必ず。

④出来るだけ休日でも出社する。

こちらは安心して任せていると思っているが、社員はだれも居ない不安の

方が大きい。

⑤褒める、叱るは曖昧にしない。

褒める時は、必ず皆の前、会議の席などで褒める。相乗効果もあるし社員の 自信につながる。

叱る時は、明確に叱る。しつこい叱責はしない。

⑥経営者として、理念を持つ。

一, 顧客第一

二, 電気技術の研鑽

三, 適正利益の確保

会社は、営利あってのものだと考えている。その利益を生み出すためにはお客

に好かれる努力をする。仕事が無ければ利益は生まれない。次の仕事に繋げる為には、技術を磨く努力をする。利益が生まれれば、従業員にも還元できる。

この連鎖を止めない努力を経営者はする。

 

修了論文を書くお陰で、父からの話が聞けた事に本当に感謝をしている。父も、自分が使用人の立場から経営者の立場と変った時は、戸惑ったと言っていた。ただ、自分について来た社員の為にも、失敗は出来ないと覚悟を決めたと。私も、覚悟を決めて会社を継続するためには、私の理念とビジョンを作りあげます。

 

 

第3章 経営ビジョンの作成

会社の理念から  ⇔  経営ビジョン

 

父の理念の根本は引き継ぎ、私の理念を作成しました。

 

理 念

『お客様の満足を通じて社員、会社が成長し良い社会を実現する』

 

3-1 理念からビジョン作成

お客さまの満足   ⇒    顧客第一

社員会社の成長   ⇒    電気技術の研鑽

良い社会      ⇒    利益の還元

 

SWOT分析で見つけた、弱みを軸に下記の様なビジョンを作成し中期計画を立てて取組みたい。

 

ビジョン

A) お客様の視点に立ち、熱い思いと誠意をもってお客様の期待に応えます。

B) 健康管理を怠らず、仕事にあたっては常に基本に戻って安全第一で考え行動します。

C) 法令、規則、社会的規範を守り、高い良識のある社会市民を目指します。

D) オープンコミュニケーションを大切にし、明るい笑顔のチームワークを実践します

 

3-2 中期計画作成 (3年後にありたい姿)

株式会社マキシマ電業中期計画               設定年2018年4月(3年後)
目    標
財   務 売上高 300,000,000円   営業利益 10%

給与のベースアップ 3%以上

顧   客 既存顧客(B2B)への強化、自社得意分野でのアピール、作業提案
顧客満足度の調査(アンケートの実施)
業  務 設備増強(工具機械など)、作業手順書(マニュアル)の作成
部下からの「報連相」、上司からの「おひたし」の奨励
人   材 OJT教育訓練、外部機関での教育訓練 / 年間50時間の研修訓練
従業員増員15人  完全週休2日制

 

3-3. 検討課題

SWOT、5FMからの分析結果で見えて来た、弱み、強みを社員と共有し、改善

するべき所、強化するべき所を早急に洗い出し検討したい。

また、自社の強みの強化として、技術のスキルアップのために社内OJTのシステムの

構築に取り掛かりたいと思う。

 

 

第4章 今後の取り組み

理念とビジョン、中期計画を次回の会議の席で発表します。

中期計画の目標を、毎年精査し目標値、実績値の検証をします。

組織体制を明確にし、リーダーが下の者の教育をする体制を作り、リーダー、管理

職は、外部委託でのスキルチェックや講義に参加させ、意識を向上させる。

 

 

第5章 監査方法

①二ヶ月に一度の会議の席で、個人の取組を発表または、シートを作成し提出してもらう。

②管理職、リーダーには、一年の目標を立ててもらう。半期ごとに進捗や所感をシートに纏めて出してもらう。

③大きな工事完了後に、お客へのアンケートの実施。

④従業員各自のスキルシートを作り、資格取得への計画を立てる。

⑤売上げ、利益の目標を立てる。四半期ごとに精査。

 

 

最後に…

今回、このビジネススクールで学び、会社というものを運営して行く上での経営者の難しさを痛感いたしました。しかし、経営者がきちんととした舵取りをしなければ会社や社員が迷走してしまう怖さも教えて貰い、自分自身が覚悟を決めて社員を牽引していかないといけないと思いました。

 

また、この機会に父と話す事が出来た事は本当にありがたかったです。父へのインタビューの最後に、「まだまだ、期待は持てない・・」と言われた事が今の自分への戒めとして頑張っていきたいと思います。経営者としての父の背中を28年間見てきた自分です。父の良いところのDNAは受け継ぎ、新たなDNAを残していける企業を目指したいです。本当に、ご指導ありがとうございました。

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