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修了生論文

「企業風土を変えるためのリーダーシップの研究について」

名古屋校(N-college) 杉山 博一

1. 動機

私がビジネスススクールに入学した動機と研究テーマについて。

代表取締役という役職ではあるが、ただ登記するのであれるならば、誰でもできると思う。私はただ登記簿に名前が記載されている代表取締役です。

それを少しでも改善できるように入学しました。

また、本論文のテーマを選択した理由は、当社の業績アップの土台となる企業風土を自分のリーダーシップにて、時代に合わせ変化していくための理論とを学びつつ実行していきたいと考えたからです。

 

 

2.企業概要

業 種 : 情報通信業

設 立 : 1993年

従業員数: 15名

事 業 : web関連ソフトウエア開発、クラウドサービス、IPネットワーク構築、RFIDシステム開発

 

 

3.問題点とテーマ選択の理由について

 

3-1 問題点

①組織的な問題点

当社は大手企業のグループ企業であるが、組織的には従業員15名の小企業です。

組織と表現していますが、社の方針に対して具体的な行動が実行されていません。

②経営者としての財務知識の問題点

財務諸表を見ても理解できない。自分一人で毎年の予算計画が立てられてない。

金融機関などのステークホルダーの対応内容が乏しいです。

③経営者としてのリーダーシップの問題点

経営に関して、基本的な知識、知恵、経験が乏しいため、問題発生時の課題抽出についての遅れ、考えのブレが発生し、的確と思える判断ができていません。

危機感を持ちつつも、しっかりとしたリスクマネージメントができていません。

会社のリーダーとして機能していません。

④個人的な問題点

開発などの実務もかかえており、経営に関してしっかりと考え、掘り下げるべきところを発見し、まとめる時間も殆ど取れていない状況です。

 

3-2 就任前の経営状況と代表交代経緯

当社の創業者は実父であり、その後親戚となる人物が3年間にわたり二代目代表を務めました。その結果、会社のモラル低下、赤字転落、社員の離職など経営危機が発生ました。

私は関連会社に所属しており、外部から見て当社は組織として存在しているが、指揮命令系統が破たんしていました。

就任前の当社の経営は「売上をあげる」という事が重要視されており、利益に関しては、軽視され、経営に関し役員会での情報共有もなく、有効な対策も取り上げられなく会社としての方向性が明確でなかったと考えます。

よって、当社の経営再建のために2014年2月に代表交代を行いました。

 

3-3 テーマ選択の理由

前述にあるように就任時、経営に関してリーダーシップを取る方法や手段が分かりませんでした。

代表交代当初、私は技術職を行っていましたので、経営に関する知識がないまま、日々の仕事に没頭する毎日でした。

また、経営に関する事が学べるビジネススクールの存在すら2017年まで知りませんでした。

 

ビジネススクールの授業にて、経営は科学的に分析し、その結果に基づき経営判断をしていく事を基本とする事を学び、検討した結果「企業風土を変えるためのリーダーシップの研究について」を選択しました。

 

 

4. テーマに基づいた診断について

株式会社エフアンドエム様(以下エフアンドエム様)のサービスである

①「パーソナリティー診断(行動特性)」

②「SL理論」(状況対応型リーダーシップ)(授業にて実施しました)

③「企業風土」の診断

の上記3つの診断を行いましたので結果を示します。

 

4-1 パーソナリティー診断について

自己分析におけるリーダーシップについて診断を行いました。

パーソナリティー検査とは性格検査ともいう。個人の行動様式や反応様式などから,その個人のパーソナリティー特性を定量的・定性的に診断・評価する検査。検査方法は通常次の3つに分類される。

(1) 自己評定法 パーソナリティー特性に関する質問に対し被験者自身に答えさせるもので,質問紙法,行動目録法などがある。

 

①パーソナリティー分析 (行動特性)

表1

行動特性の結果を表1に示します。

「向上心」「コミュニケーション力」は、評価A

「積極性」「社交性」「共同性」は、評価B

「まじめさ」は、評価C

「根気強さ」「自己管理」「計画性」「達成意欲」は、評価D

でした。

それぞれのアルファベットの意味は、

「A:高い B:やや高い C:平均的 D:やや低い E:低い」です。

 

②行動傾向分析からリーダーシップ資質分析

表2

 

行動傾向分析からリーダーシップ資質分析については、総合評価として「B」やや高いの結果が出ました。

「集団維持に向けたリーダーシップ資質が高く、組織風土重視タイプとして成長していく基礎的な資質を持っていると考えられます。」

という結果が出ました。

 

4-2  SL理論(状況対応型リーダーシップ)からみた自己分析

SL理論とは

リーダーシップのコンティンジェンシー理論の1つ。唯一最適なリーダーシップ・スタイルは存在せず、有効なリーダーシップ・スタイルは部下の成熟度などの状況要因に応じて変わるとする考え方。米国のP. ハーシーとK. ブランチャードが発展させた。状況対応型リーダーシップともよばれる。 SL理論では、部下の職務ごとの成熟度を能力やスキル、積極的姿勢、自信、手際のよさなどをもとに4段階に区分し、それぞれに有効なリーダーシップのスタイルが次のとおり示された。 1. 教示型(成熟度:低)……部下の役割と職務を明確にし、細かく監督する。 2. 指導型(成熟度:やや低)……指示はこちらが与えるが、部下の意見も聞く。 3. 支持型(成熟度:やや高)……日常の意思決定は部下に任せるが、管理は一緒に行う。 4. 委任型(成熟度:高)……管理は一緒に行うが、こちらが関与するタイミングは部下に決めさせる。

引用:コトバンク

 

下記に授業にて実施したスタイルプロファイルの結果を示します。

表3

 

スタイルプロファイルの表3では、

S1 2

S2 5

S3 4

S4 1

の結果がでました。

 

リード診断表の結果

表4

 

上記診断での右下の点数は15点でした。

授業では、20点以下は、リーダーシップが低いとの評価結果でした。

 

4-3 企業風土

「企業風土」の診断を行いました。

対象人数 全社員15名

 

「企業風土」とは

職場の人間関係のあり方、職場の温度といった、社員一人ひとりから見た労働環境のこと。

職場の人間関係とは、いわゆる風通しといった上下の意思疎通の取りやすさや、誉める、叱るなどのコミュニケーションの傾向のことであり、職場の温度とは、挑戦的な目標に自律的に挑んでいるか否かといったような仕事に取り組む姿勢の共通点のことである。

引用:株式会社マングローブ社 HPより

表5

当社の「企業風土」の診断結果は、

「伸び盛り型」です。

注意事項として衛星要因に対し今後の対策が必要と考えます。

 

衛生要因とは

ハーツバークによって提唱された、仕事への満足・不満足の要因説に基づく1つの要因。

衛生要因とは、少しでも欠けると不平・不満につながる要因のことで、職場環境がこれに該当する。具体的には、作業場所や休憩時間、報酬など。 これらの衛生要因は、不満が解消されてしまえば、それ以上に向上させたところで、満足の向上につながるわけではない、という性格をもつ。

引用:コトバンクHPより

 

 

5.結果からの考察

パーソナリティー診断、SL理論(状況対応型リーダーシップ)、企業風土、の考察は次の通りです。

 

5-1 「パーソナリティー診断」の考察について

行動傾向分析からリーダーシップ資質分析より (表2)

リーダーシップの資質は総合評価ではBの「やや高い」の結果が出ましたので、それを維持できるように意識した行動をしていきたいと考えます。一方、パーソナリティー分析(行動特性)(表1)では、前述にあるように、根気強さ、自己管理、計画性、達成意欲が「やや低い」結果Dとなりました。

結果Dの部分においては、特に計画性においては自身でも認識しており、今後の対策は、「経営スケジュール」を作成し経営の必要事項と期限を明確にして取り組み始めました。

「経営スケジュール」の作成は、

 

(1)中期計画の策定

(2) 株主総会、定時報告の準備

(3) 賞与の検討

(4)社内行事の策定

 

など計画しスケジュールを策定したものです。

それを利用し、役員で情報共有し計画性が劣っている部分を補う対策を行います。

 

5-2 「SL理論(状況対応型リーダーシップ)」の考察について

リード診断表の点数は、15点となり、20点以下なのでリーダーシップとしては低い結果が出ました。

表6

出典: http://www.earthship-c.com/leadership/situational-leadership-theory.html

アースシップ・コンサルティング

 

表6からしますと、自分の行動の型は、S2のコーチ型、S3の援助型の傾向が強いです。

前述の表3のスタイルプロファイルの結果からすると、S1の指示型の傾向が低いので、S1の部分の行動においては、指示を細かく伝え、その目的も伝えるように改善を行う事を考えます。

具体的には、指示シートの作成を行おうと考えます。

指示シートの内容には、「指示の項目と内容と求められる成果」を示し明記する。

成果を求める期日を決め、中間報告作業を追加し、必要であれば修正する。

上記のように運用面から対応を始めようと考えます。

S1が変われば、S4の値も変化し、指揮命令のバランスのとれた方向に振り向けると考えます。

 

5-3 「企業風土」の考察について

「伸び盛り型」の結果が出ましたが、具体的な取り組み方法は今後の課題となりました。

企業風土の改善においては、衛星要因の値を小方向へ進める事が必要と考え、それにおいては、エフアンドエム様の当社御担当者に相談し適切と思われる取り組みのアドバイスを頂き、検討していきたいと考えます。現在、「人事考課制度策定支援」の活用を検討しています。

 

 

6. まとめ

約半年間、名古屋校にて経営の概要を学びました。今、経営知識のレベルの低さと、危機感を痛切に感じ、それを忘れない思いを胸に込めて経営に取り組んで行きます。

また経営に終わりはなく、「これをやればよい」というものもないと考えます。

今後、リーダーシップをもって、ただのあつまりから組織へと変わるように、企業風土改革を行い当社の業績を上げていく方法においては、「スクールで学んだ事とジョン・P・コッター氏のリーダーシップ論」をバイブルとし、自分の頭で考え抜いて、永続的に経営に取り組みます。

 

 

謝辞

ビジネススクール名古屋校において、株式会社エフアンドエム原田校長先生はじめ、受講生の皆様から有益な助言を頂きましたことに感謝いたします。

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