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修了生論文

ビジョンを踏まえた経営戦略

福岡校(F-college) 吉崎 範子株式会社アイディアル

1.研究動機

私は息の長い企業になるためには、どうすればよいかを考えた。現在の当社は生き残りをかけて、もがいているような状態である。今こそ、原点に立ち戻り、社員一同一丸となって進んでいけるよう、経営ビジョンを掲げ明確な戦略を考えていく必要があると考えた。

 

 

2.現状分析と評価

 

2-1.設立からの流れ

当社は平成19年1月に設立し、11期目となる。前身は大手フランチャイズの住宅メーカーであった。設立当時は、これまでと同じ建築業とはいえ、モデルハウスもなければマニュアルもない。独自の営業スタイルを根本から考えるにあたり、スタッフ全員で地道な営業活動を行った。当時4名のスタッフからのスタートであった。

【設立からのこれまでの流れ】

建築部門
97.04長崎県諫早市にてFC加盟の建設業に携わる

07.01(株)アイディアルを長崎県大村市に設立

07.03自然素材健康住宅「和ら木」を発表

07.10抗酸化住宅研究会へ加入

抗酸化リバース工法による住宅の販売

07.12ナイス(株)(東証、名証一部8089)と共同開発「未来を育む家」を発表

08.01「未来を育む家」販売

09.03賃貸住宅「Y’sハウス」ブランド商品化販売

09.06資産運用、資産構築を視野に入れた「賃貸住宅“女性にやさしい家”」発売

エコ対策、ランニングコストを考えた「地球にやさしい家」を(株)九州ガスの協力で実現

10.03一般社団法人 環境マテリアル推進協議会認定のリフレクティックス仕様工法、遮熱施工管理士免許取得に伴い「地球にやさしい家Vol.2」販売開始

11.05長崎すて木な家づくりの会に加盟
大村市富の原に長崎県初の木の資料館「木のコトミュージアム」が開館

12.09建築業許可を更新
長崎県知事(般-24)第12864

13.08(一社)ながさき健康・省エネ住宅推進協議会立ち上げ

14.05地域型グリーン化事業住宅許可

15.07ゼロエネルギー住宅採択開始

15.08健康・省エネシンポジウムin長崎開催

15.10医師と考える健康セミナー開催

16.02第2回健康・省エネシンポジウム九州in長崎開催

16.03長崎県生涯活躍のまちCCRCシンポジウム開催

16.12 日本サステナブル建築事業許可

 

システム部門
09.10NTT西日本グループ NTTアド-東海に人材育成・派遣スタッフ管理のプレゼンを行ない、販売管理システムの採用に至る

10.02システム部門開設に伴い、NTT西日本-三重をはじめNTTマーケティングアクト東海支店、NTTマーケティングアクト九州支店と業務受託を締結

11.04(株)ヒト・コミュニケーションズ(東証一部3654)と勤怠システム業務受託を締結

12.05(株)美創プロモーションと販売管理システムの業務受託を締結

12.09(株)Generousと勤務及びシフト管理集積業務受託を締結

13.09ビューテック東海(株)勤務管理システムの業務受託を締結

14.04ビューテック東海(株)在庫管理システム、年休発給システムの業務受託を締結

15.09ビューテック九州(株)勤務管理システムの業務受託を締結

16.11ビューテック九州(株)警備員向け勤怠管理システムの業務受託を締結

 

これまでの営業スタイルは、フランチャイズ本部との関わりもあり、新聞広告チラシを折り込み、待ちの営業で、蓋を開けてみないと集客すらわからないものであった。

当社はこの転機を活かし、これまでのお客様や協力業者様などからのお声かけもあり、紹介受注を主とする営業活動に切り換えたので、広告宣伝費などを抑えることができて1契約あたりの契約コストは殆どかからず、販売管理費の比率が少ないということは、喜ばしいことだった。チャージ料やロイヤリティなどの高い契約コストをお客様にかけることもなく、ご負担が少なくなるようにと、営業活動の細やかな配慮を喜ばれ、紹介の輪は少しずつ広がっていった。

設立後、3年目に将来を見据えた、他業種部門の立ち上げを考え、安定供給と顧客層を個人から企業へという変化を求めた。ここから、当社の2つの営業ラインが始まるのである。

このような過去の経緯を踏まえ当社が今後取るべき戦略及びビジョンについて考えた。

 

2-2.自社分析

2-2-1.ファイブ・フォースモデルによる業界分析

初めての試みだったため、とても時間がかかったが、会議の中で建築業界とシステム業界と2業種を行った後、時代によって脅威も少しずつ変化いていくことがわかった。

結果、時代にのり遅れないようにするためには、定期的に分析する必要があると考える。これは、日々脅威にさらされていると思えば、当たり前のことであったと再認識した。

 

【ファイブ・フォース・モデルによる業界分析①】

 

【大村市の利便性】

大村市は全国でも数少ない人口増加がみられる都市である。

要因は、国防の中枢である自衛隊が三部隊存在し、また長崎空港・JR九州大村駅・九州自動車道大村インター・九州新幹線新大村駅(予定)がほぼ2キロ圏内にあることから利便性が良く、近辺の市町村から転入、自衛隊退職者などが住まいを構えるという県央の市である。

このことにより、建築業界では大村市の競合だけでなく、他市他県からの競合も介入する県下一の激戦区である。これも一つの脅威である。

 

【ファイブ・フォース・モデルによる業界分析②】

 

2-2-2.SWOTによる分析

【SWOTによる分析① 建築】

紹介の輪を大切にし、お客様の不安やその後のもろもろのお手伝いができる会社であるという提案をおこなっていく。

 

【SWOTによる分析② システム】

システム部門だが、大企業の業務部から関連業者を紹介していただいているという実績で、今のところ競合がない状況である。今後はシステム利用会社との細やかな報連相を行い、利用者が淡々と日常業務に取り組むことにより、なくてはならないシステムになるように仕向ける。

 

 

3.今後の取り組みと監査手法

 

3-1.使命とビジョン

これらの事業運営を目指すにあたり、使命として第一はお客様、下請け業者様、協力業者様の願いを形にするためにますますの信頼向上に努め誠心誠意を尽くす。そして当社の価値を高めるため第二は、財務基盤の強化を図りキャッシュフローの拡大を目指す。将来の生き方として第三は、私たちに何が出来るかを考え、健全健康な肉体魂で終身現役を目指す。

この3つの柱をもととして

『良い環境で生活することは万人の願い、その願いを実現するために私たちは働く』というビジョンを掲げた。

 

3-2.事業領域と対策、手段

【事業領域】

 

まず事業領域の機能的ドメインとして、建築部門は、お客様に健康で元気に長生きしていくための安心安全な環境を提案する。

 

3-2-1.建築部門

これからの時代、少子高齢化が加速的に進み、それに伴う医療費や介護費の増加が個人から国民全体へと大きな負担となりうる。

高齢者が健康で長生きをし、自宅で家族と共に快適に暮らしていくことは、本人と家族の身体的、経済的負担を和らげ、国や地方財政にも良い影響をもたらすと考える。

住環境、特に住居内の温熱環境が健康に密接な関係を持つことは一般的にあまり知られていないが、慶応義塾大学伊香賀俊治研究室及び健康・省エネ住宅を推進する国民会議などが主体となって、2012年から実測調査を行い立証している。

当社は、この国土交通省スマートウェルネス住宅推進モデル事業に賛同し、既存住宅の断熱性能を高める改修による住環境の改善が、居住者にもたらす疾病予防、介護予防の効果を明らかにするため、既存住宅改修前後の居住者の健康調査に協力し、行政・地域医療・大学医学部・建築学部などと手を組み、健康調査を必須とした建築思想を提供し、エビデンスを基に、断熱・耐震・薬害排除などを考慮した施工を行う。

完了後良い環境に住まれてからも、居住者に再度健康調査のご協力を頂き、賛同したということで、補助金を申請して差し上げるというプロジェクトに取り組み、競合との差別化をはかる。これは医療関係者と住宅建設を手掛ける人達の初めての大がかりなコラボレーションと言えるだろう。

お客様にはこれまで以上に紹介を頂けるよう、得して喜んで頂ける企画立案を行い、新たな人間関係の囲い込みを行い、継続して補助金を提案していく。

 

アイターン客の確保としては、南海トラフなどの天災を考えると、当社との取引のあるお客様が、危険地区といわれる場所に居住されている以上、お客様に有益な情報を発信して行く義務があると考える。やはり天災には、かなわない、しかし資産を分割することにより、少しでも将来の不安、要因が、なくなるのではという観点から、大村の利便性を生かした資産運用物件を提案していく。何も起こらないのが一番だが、起こってからでは、悲惨である。

近年の地震、津波など災害予想や、大村地区賃貸物件、入居率などのリサーチを行った結果、アパートから戸建てに移行しているという現状から、顧客側の立ち位置で考えた。

 

監査手段として、ながさき健康省エネ住宅推進協議会で行うシンポジウムや、勉強会へのお客様の動員数・健康調査数など、数をノルマとし予実を明らかにして、週間月間それぞれの会議で、進捗状況の確認のもと、達成率を出していく。

アイターン客になりうる他地区の取り組みは、協力会社を巻き込み、お互いの効率的利潤を目標として掲げ、共存共栄を図るべく、定期報告会・勉強会・見学会などで顧客を確保していく。

また、顧客満足度を図るための監査手段として、現場を利用した資産運用シュミレーションツアーを開催、スタッフ一同でお客様と接することにより、ご家族の顔色、発言、行動を読み取りながら満足率を感じ取る、地域で行われるイベントの利用など、間口を広げることが課題でもある。

 

3-2-2.システム部門

システム部門の機能的ドメインは高齢者向けといった特殊性を持つ。現場対応での勤怠管理となるため、各現場タブレットで行うが、派遣スタッフの年齢層が高齢なのが特徴である。70才のスタッフが、利用できるものとして構築した経緯がある。

今後の取り組みとしては、2極集中とし第一のポイントは、システム内容を勤怠管理・年休発給など、労務にかかわるものに集中させる。労務事情は、今後、法改正などにより、企業においては頭の痛いところである。そこを抑えて、その都度カスタマイズをすることにより、契約期間の延長を繰り返していき、長期の売り上げ確保となる。

第二のポイントは、顧客層をNTT西日本グループ、関連企業に絞り込む。これは、短年度的な構想である。人材が不足している今、新規企業の受注は、時間と労力を考えると、動きが取れなくなり足元をすくわれかねない。ここは手堅く行動しなければならない。

 

監査手段として、システムが日常的に、あたりまえのルーティンとなり、なくてはならないものと感じていただき、多くのスタッフの現場の声を拾い上げて、これを中間管理職以上の意見交換会などの交流の場でプレゼンする。

また四半期に1度のペースで、本社、各支店、現場拠点、関連企業回りを考える。

 

これらの戦略をやり遂げるためには、使命やビジョンをいかにスタッフに浸透させるかが不可欠である。毎日、朝礼で確認をし、脳裏に焼き付けるように仕向ける。

このような日頃の取り組みが大切であると考える、当社の事業ドメインと日頃の取り組みに整合性があるかどうかを、チェックし、現時点でのファイブフォース分析や、SWOT分析を行うという一連の流れを四半期に1度行う。

 

当社社員一同が

「良い環境で生活することは万人の願い その願いを実現するために私たちは働く」

この言葉を心に刻み、日々精進する。

以上

 

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