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修了生論文

「この時代を生き残るための、これからの当社の経営戦略とは」

福岡校(F-college) 岩永 賢治 (株式会社大村学習社 )

1.はじめに

当社は、長崎県大村市という人口約9万9000人の市場を中心に、保育園・幼稚園、小・中・高校向けの教材、事務用品、備品販売と官公庁・一般企業向けの事務用品、事務機器の販売を主に行っている私を含め社員7名の会社です。

昭和45年に先代の父が学研の代理店として創業しました。当初は小学生向けの教材の販売を主に行っていました。その後、前記した市場へ販路を広げ現在に至っています。

 

 

2.研究動機

今回、なぜ私が「自社分析と経営戦略」を研究テーマとしたかというと、現状の売上げは近年ほぼ横ばいに近い状態にあります。今回、ビジネススクールに参加して、当社の不足している点を多く感じることが出来ました。これから真剣に経営というものに取り組んでいかないとこの厳しい競争社会の中では生き残れないと痛感しています。

当社は、先代の時代からお客様の所へ密に通い、その関係を深くすることで商売に繋げてきました。もちろん今でもその考え方や手法は変わることはありません。

しかし時代の流れとともに目まぐるしく環境が変わりました。流通形態、販売方法、価格、お客様の考え方、他にも多くのことが日々変化しています。その変化に対応しながら時代に合った商品、販売方法、仕入方法、販売相手、販路を選択し、社員の意識改革を含めたスキルアップを計りながら戦略を立てていかなければなりません。

現状の分析で実際に私が何をやっていたかと言えば、月次試算表で売上げ推移を確認するぐらいのものでした。ましてや決算書など銀行と対等に話のできるレベルではありませんでした。

社長というより一営業マンとしての動きしかできていなかったのです。将来に向けての戦略や具体的な行動目標など立てたこともありませんでした。何年何月までにこれをやるなどの中期目標や長期目標すら現時点で立てている訳ではありません。

将来に向けて現状分析を行い、その上で売上を伸ばし利益増を最大の目的とした経営戦略を立てることが急務と感じ今回のテーマに取り組みました。

 

 

3.自社の現状分析

SWOT分析により当社がおかれている現状を外部的要因と内部的要因に分けて分析します。

 

3-1.「外部的要因」

3-1-1.(機会・外部的環境プラス要因)

①時代の変化とともに、お客様の必要とする商品は変わる。また市場には必要とされる商品製作のためのアイディアがある。

②ICT化により教育市場に向けて新商品の開発と導入が増えている。

③全国的にメーカー(当社の取り扱い商品となりうる)の展示会が頻繁に開催され、商社からの情報をもらう前に自ら情報を得る機会が増えている。

④児童に食育を含めた健康管理の商品を提供する市場が期待でる。

(厚生省は、医療費削減のためには子供のころからの食育の重要性を提案し ている。)

⑤高齢化社会に対応した新たな市場が期待できる。

(児童の場合と同じで健康管理は大きなポイントの一つと考えられる。)

⑥企業や事業所向けだけではなく、そこに従事する従業員向けの市場を新たな販売先として考え、またそれに対応した商品の選定が行える。

⑦付加価値のある商品として3年前よりコピー機の販売を手掛けていますがまだまだ市場開拓の余地がある。

 

3-1-2.(脅威・外部的環境マイナス要因)

①インターネットから簡単にお客様が商品の価格情報を得てしまう。

②テレビショッピングやネットでの販売市場の拡大。

③少子化による競争業者の増加。

(児童が多いマーケットに今まで参入してこなかった業社が入り込んでくる。)

④大規模電気店での事務機器の安値販売。

⑤流通速度の発達によるカタログ販売の規模拡大。

(アスクルなど)

⑥価格競争の時代。同業大手の安売り販売。

⑦経済不況における買い控え。

⑧時代が目まぐるしく変化しており常に対応が必要。

 

3-2.「内部的要因」

3-2-1.(強み・内部環境プラス要因)

①販売エリアでの保育園・幼稚園、小・中・高校での当社の知名度は高い。

②保育園・幼稚園、小・中・高校で使う商品は、ほぼ取り扱っている。

③市内同業他社と比較した場合対応が早いとお客様に言われる。

④お客様と密着度の高いサービスの提供を行っている。

⑤児童用教材、学校用教材に対する長年の知識がある。

⑥社員のフットワークが軽い。

⑦保育園・幼稚園に関しては、園舎の設計から運営までの総合的アドバイスができるネットワークがある。

⑧保育園・幼稚園向けの商品を総合的に扱う業者は今後増えることはないと考えられる。

 

3-2-2.(弱み・内部的環境マイナス要因)

①市内一般企業への知名度が低い。

②社員の年齢が高い。

③後継者が育っていない。

④商品の選択や新市場の調査、販路開拓ができていない。

⑤社員全員が仕事以外でゆっくりと会話する時間がない。

⑥「基本理念」、「ビジョン」がないため社長の思いが社員に伝わらない。

⑦社長が社員の考えを聞かずに物事を進めてしまうことがある。

⑧社員がスキルアップできる勉強の場を与えていない。

⑨商社や問屋さんを通しての取引が多くメーカーとの直接取引が少ない。

⑩自社オリジナル商品がない。(自社発案)

 

 

4.現状分析を踏まえての今後の取り組み(戦略)

現状分析にはSWOT分析を用いて行いましたが、これを更にクロス分析することで今後の取り組み(戦略)を4つの観点から考えます。

 

4-1.「強みを活かして機会を勝ち取るにはどうしたらいいか。」

①全体的な取組み方として、当社は保育園・幼稚園を中心に、お客様との密着度の高いお付き合いとサービスを提供しています。商品の内容を熟知し、お客様に信頼していただける営業に努めることで商品の購買に結び付けます。

外部要因の機会をいかにしてビジネスチャンスとするかですが、展示会の開催情報を把握し、当社の市場に投下できる商品の展示会には積極的に参加します。常に新商品の情報を収集し、新たな商品の発掘に力を注いでいきます。そしてその商品の内容を熟知し、お客様にいち早い情報の提供を行いたいと考えます。そのことが他社より優位に営業活動を進めていく戦略だと考えます。

② ICT化への対応ですが、現在保育園向けへのICT化関連のソフト及びパソコン導入の補助金等が各自治体へ交付され、保育園への導入を行っている最中です。

今後は、保育園・幼稚園を中心に、お客様の細かなニーズに対応できるICT化商品の発掘と開発を手掛けていきます。

③ 高齢化社会へ向けての新たな対応ですが、まずは老人ホームやデイサービスを経営している保育園から紹介をいただき、現在当社が扱っている事務用品等を中心に営業を展開し、その後その施設にあった商品の提案をおこなっていきます。

④児童の健康問題は、保育園・幼稚園の枠をこえて非常に重要な問題だと考えます。食材の栄養価を中心に、食育の重要性を保育園・幼稚園の先生をはじめ、保育園・幼稚園の児童のご父兄に対して勉強会を開催します。そこに新たな商品の提供を考えます。

今、考えているのはミネラル水の製造が出来る浄水器の提案です。昔とは違い、現状では市販されている食材から必要とされるミネラル分の摂取は不可能に近いのです。

まずは、この浄水器の必要性を理解していただき、保育園・幼稚園で飲料用、調理用として使用していただきます。

保育園・幼稚園でその良さを理解していただいた後は、先生方やご父兄からの需要に結び付けます。

⑤ 3年前より取り組んだコピー機の販売ですが、まだまだ今後の市場性はあると考えます。同業他社のコピー機と比較しても性能、価格的にも勝負はできると考えています。まずはお客様のリース満了の時期を把握し、早めの提案を行うことで契約に結び付けます。

 

4-2.「強みを活かして脅威を機会に変えるにはどうしたらいいか。」

①アフターフォローの充実を徹底して行い、インターネット等で購入された場合とのアフターサービスの差別化を行っていきます。

②常に計画的なお客様訪問を行うことで、訪問回数の偏りをなくし、お客様に密着した営業活動を継続していきます。

③値段ではなく商品知識、情報をお伝えすることで価格以外での商品の良さをご理解いただき購買に結び付けます。

 

4-3.「弱みを補強して機会をつかむためにどうしたらいいか。」

①当社の「基本理念」、「ビジョン」を設けることで、社員に当社のあり方を明確に理解してもらう。そうすることで今後の戦略をより明確にし、目的達成に繋げます。

②社長と社員との会話の時間を多く設けます。そのことで今後の会社のあり方や方向性を伝え、意見交換を行い同じ意識を社員全員にうえつけます。

③技術的知識や商品知識を得るために積極的に展示会や研修会に参加し、他社より早く情報収集し市場にフィードバックします。

④展示会等に参加することで、メーカーと直接取引のできる可能性の機会が得られる。積極的にメーカーとの交渉を行い市場で優位な立場を獲得できるようにします。

⑤ 社員の年齢は高いのですが、その分経験や知識をいかした市場にあった商品の選択を行います。

 

4-4.「弱みから最悪のシナリオをさけるためにはどうしたらいいのか。

①現状の市場での対費用効果の面で黒字と判断されるお客様以外は切り捨て、

お客様の数を見直し、それに応じた社員配置を行い、より密着した営業活動を行なっていきます。

 

 

5.まとめ

今後は前章で述べた、4-1の「強みを活かして機会を勝ち取る」ための戦略をまず実践していきます。

しかし、実際に実践に移し営業を行った場合、当然のことながら予想とは違う結果や問題点が多々でてくることは容易に予想されることです。

その度に新たに分析を行い、失敗原因と成功要因の洗い出しを行い、迅速で且つ正確な戦略を立て直さなくてはなりません。

その分析を繰り返すことで、目的である売上増、利益増をもたらした戦略は当社の経営上、非常に重要な成功事例となります。その後はその戦略をもとに新たな商品を探しその戦略を活用しお客様の獲得と売上増、利益増に繋げていきます。

経営戦略にこれだという決まった形は当然ありませんが、売上増に繋がる確率の高い戦略と当社ならではの戦略があるはずです。社員とともに真剣に戦略をたて分析を行って成功戦略を作り出していきます。

 

 

6.監査手法

①社員と経営戦略について話し合いを設けます。そして社員とともに戦略の重要性とそれに基づいての結果分析の重要性を理解してもらいます。

②戦略をもとに立てた販売計画書を提出し社員で検討します。計画書を実行に移してからは、目標の達成度の検討会を計画的に行います。

③研修会、展示会に参加した場合は報告書の提出を行い、新商品の勉強会の開催を義務づけます。

④第三者による監査を取り入れます。現在F&Mの担当社員の方に新たに取り組む戦略とそれに関する販売計画を提出します。

また経過報告書の提出日程の決定を行います。経過報告書は当然当社での分析も行いますが、報告書に対しての意見をもらい、今後の営業に繋げていきます。また、最終のまとめ報告書とそれを踏まえての今後の取り組みについての報告書の提出を行います。

 

最後に、今回の論文を含め勉強会に参加したことで、多くの気づきをいただくことができました。今回学んだこと論じたことは実践しなければ意味がありません。社員とともに今回学んだことを実践に移し結果を出すべく努力します。

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