お問い合わせ・資料請求

修了生論文

「スクールでの学びをこれからどのように生かすか」

福岡校(F-college) 石田 賢司

第1章 研究動機

 

1・スクール入学の目的

今回のF&Mビジネススクールの私の参加動機は、一つは当社が非常に人材教育に熱心な会社であったことだ。Off-JTに関して、特に管理職は年間通じて誰かがどこかの研修に参加しているような状況である。

自分自身は最近参加できていないなと思いながら、何か良いセミナーがないかと考えているときに、現在一緒に受講している上司からこのスクールを勧めてもらった。そして入学前のセミナーに参加。営業全般のノウハウを勉強できるということもあり受講を決意した。

 

私自身、これまで社外研修には何回か参加したことがあるが異業種の方々が集まるので、そこで得る情報や知識はとても新鮮だと毎回感じさせられる。

また全く知らない人たちの中に飛び込むことにより自分の実力を客観的に知ることができる。社内においてリーダーシップが発揮されているか、部下育成できているかなど、人と比べることで気付かされることも多々あった。

自らを律し、初心にかえる意味でも新しい風に当たることはとても大切だと思い挑戦した。

 

2・当社の人材育成の状況について

私が学びたい理由がもう一つある。それは当社で社員教育の担当をしているからである。会社で勉強会の時間を設け、考え方やマナーなどの「態度教育」と、当社が食肉事業なのでその専門知識や技能などの「職能教育」を併用して行っている。

 

一昨年はビジネス書の中から中小企業の成功事例や経営者の言葉などを抜粋して設問やテーマをつくり、工場の者や営業部の者が入り混じっての意見交換を主に行った。

昨年は11月に「お肉検定」という全国食肉検定委員会が主催する検定試をみんなで受け、それに向けての専門知識の勉強にも取り組んだ。もちろん今年も社内勉強会は続けるが、毎回そのネタを何にしようかといういわゆるネタ切れの危機感があり、このスクールで学んだことを社員に教えていくことが、Fカレッジ入学の最大の目的である。

 

このスクールを受講している方々は代表や役員、後継の人が多いが私は課長職である。しかし皆に負けないようなリーダーシップを身に付け会社に還元するために、より多くの知識をつけることと、経営に携わる人と交流を持つことでいろんな意見を聞き、今後の仕事に役立てることが私の責務なので、「学んだことをどう生かすのか」ということを今回の研究テーマに選んだ。

 

 

第2章 現状分析と評価

 

1・会社概要

まず会社概要と私の業務内容を説明します。

当社は現会長が創業され、現在は息子である社長が二代目として引き継ぎ、法人化して28年目という歴史のある、従業員100名ほどの食肉卸・小売業の会社である。

創業時は「ホルモン」や「モツ」といわれるような、牛内臓や豚内臓を主力商品として扱ってきたが、現在は食肉全般を取り扱い、原料や加工製品を卸メーカー、スーパー、精肉店、焼肉屋などの飲食店に納品している。

当社は営業部と工場部のある本社と、加工食品事業部の2つの大きな柱によって構成されており、近年それに加え外食事業部と通販事業部を次なる柱にするために力を入れて取り組んでいる。

私はというと本社営業部に所属し、その中で課長職を任されている。その業務内容は、営業部部長と共に営業部全般の管理と、先ほども触れたが会社全体の社員教育(特にOJT)に携わっている。

 

2・社員教育に関する取り組み

現在、当社が行っている社員教育は主に次の6つである。

①営業会議の中での勉強会

②13徳目朝礼

③「理念と経営」の勉強会

④朝礼の中での勉強会

⑤車両(運転)に関する勉強会

⑥社外研修への参加

 

( 解説 )

 

①営業会議の中での勉強会

私がリーダーとして開催している。毎月第一金曜日に営業会議を行いその中で15分~30分程勉強会の時間に費やしている。「楽しく真剣に」をコンセプトとして趣向を凝らし、専門知識はもちろん現場で豚枝肉解体の見学や手作りのカードを使ったゲーム形式で「指示命令一元化」の実習、このスクールで学んだロジカルシンキングもクイズ感覚でさせていただいた。

また年に数回は営業社員を指名して、自由なテーマで研究発表をさせている。会議自体が重苦しい雰囲気で進むので、会の最後に勉強をすることで楽しく終了することができ、明日への活力になることも意図としている。

 

②13徳目朝礼

「13の徳目」(コスモ教育出版)という月刊誌を定期契約し、朝礼前の勉強会のツールとして使っている。一日一頁と、日めくりカレンダー的な冊子になっていて、月間のテーマにそった質問が週ごとにあり、その答えと「昨日の仕事上での気づき」、「昨日の感謝したこと」などの項目に毎日書き込み、それを発表し合うような流れの勉強会である。当社は就業時間の関係で毎週月曜日と金曜日の2回行っている。

なお参加者、日程、時間などの詳細は※表Ⅰに掲載する。

 

③「理念と経営」の勉強会

「理念と経営」(コスモ教育出版)という雑誌も勉強会に使っている。

企業の成功事例や経営者の言葉などが掲載してある月刊誌で、経営者から一般社員まで役立つような記事があり、その中から抜粋して設問を2つ作りディスカッションする形式にしている。この勉強会は唯一本社と加工食肉事業部(以下 加工部)が入り混じってのグループで行い、部署を越えたコミュニケーションも目的のひとつである。

 

④朝礼の中での勉強会

 

この勉強会も私主体で行っている。商品知識をつけることが目的の勉強で2、3枚の資料を配り工場の中で現物を見せながらの、解説やちょっとした豆知識を紹介したりする時間に使っている。営業部の朝礼中に行う。

 

⑤車両(運転)に関する勉強会

 

当社では社員2名を車両委員として選任し、主にメンテナンスの管理を担当させていた。本来はその目的だったが行政の安全運転管理者制度の一環で、運転者に対する指導として勉強会を月一回開催している。

トラックや送迎バスなど社用車を運転する者5~6名を集め15分程の勉強だが、内容よりも毎月開催し出席者名簿を残すことを目的として取り組んでいるので、今回の研究からは省くこととする。

 

⑥社外研修

社外研修は年間5~6名が参加している。管理職が主で、新入社員は自己

啓発的な研修に行かせている。管理職はある程度自由に、自分がつけたいスキルにあった研修に行くことができている。

 

3・取り組みに対する分析

( 時間について )

同業種、他業種の方にその会社の社員教育について尋ねることがある。

感覚的なもので確固たる根拠ではないが当社は比較的、人材教育に時間とお金を費やしているほうではないかと感じる。

しかし労働基準監督署から勤務時間の指導を受けたこともあり、これ以上増やすことは難しい状況である。(営業部一般社員の月別実働時間を※表Ⅱ、年間個人別実働時間を※表Ⅲに掲載)実際、②「13の徳目」は毎日行っていたが週2回に削った。

 

( 所感 )

職能教育と態度教育のバランスをとり私なりには充実させているつもりである。しかし今以上に深めていくためには、私自身がスキルアップするか社外に講師を依頼するしかないだろう。

Off-JTに関して否定的な社員がいることも否めない。上田会長からも「勉強も大事だが、なぜ勉強が大事なのかを社員に常に言い続けることが一番大事だ。」とアドバイスをいただいた。

当社の経営理念に「お客様へのお役立ち」という文言があるが、私も学びの最終的な目的はそこにあると思っている。また常日頃、部下にも伝えていく義務と、リーダーとして模範になる行動を意識しなければならないと感じている。

 

( アンケート )

当社の取り組みに対して、専務と営業部14名にアンケートを実施。

当社の人材教育の評価(良いところ・悪いところ)と今後の学びについて

答えてもらった。

 

( 評価 )

良いところ

・朝礼や会議が連絡、報告だけでなく、意見が飛び交うようになった。

・朝礼での挨拶、発表、唱和で大きな声を出し、一日の活力になる。

・知識をつけることでお客様との会話が増えた。

・日頃の業務からだけでは、得ることができないスキルがついた。

・各個人の責任感が強くなった。

・会社の理念に対しての意識が強くなった。

・理念を基に判断基準が明確になった。

・当たり前のことに感謝できるようになった。

・過去に覚えたことの復習ができた。

・営業部全体で情報の共有ができてきた。

 

悪いところ

・積極性がないと人から学ぶことができない。誰も教えてくれない。

・クレームから学ぶことも多い。クレームを発生させないような教育

や指導が必要だ。

・自分の業務や担当以外のことを学ぶ機会が少ない。

・課題や宿題に対しての取り組みや、責任感に個人差がある。

・ややマンネリ化している勉強会もある。

・先輩社員から後輩社員への指導や教育ができていない。

 

今後の勉強会で取り組んでほしいこと

・ト殺場見学

・飲食店開業のプロセスや戦略について

・新入社員のための勉強会

・より深い商品知識

・市場の相場動向や入荷状況などのタイムリーなテーマ

 

( 改善策 )

・新入社員の教育マニュアルを6月までに作成

・食肉検定に向けてのミーティング週1回

・テーマを新聞やニュースまで拡げ、タイムリーな問題を取り入れる

・マンネリ化解消のため研究発表や、全員で考える勉強会を増やす

 

 

 

第3章 今後の取り組みと監査手法

 

1・このスクールで学んだこと

このスクールでいろんなことを教えていただいた。ロジカルシンキング、統計、イノベーション、会計、経営理念、経営戦略、リーダーシップ、マ―ケティングと盛り沢山だった。

ほかにもプレゼンや発表の仕方、グループワークの中ではメンバーの個性も強く活発なディスッカションとコンセンサス、譲れない信念も経営者のメンバーの方から学ぶこともできた。

また企業家研究発表では「本田宗一郎」をさせていただいたが校長先生からお褒めの言葉をいただき、私の貴重な成功体験として今後の自信に繋がった。

そして授業のあり方としてみんなの質問を大事にされ、私も質問したくてもそれが出ないもどかしさを感じ自分のレベルの低さを思い知った。

聞く力、要約する力、理解する力、発表する力、そして何より芯の通った信念が人より劣っていることを痛感した。

講演などで「経営者や幹部が誰よりも学ばないと社員はそれ以上に成長しない」とよく言われる。そういう意味では「学ぶことの大切さ」を、このスクールで一番教えてもらえたと感謝している。

 

2・今後の取り組み

前章でも触れたが社員教育の時間を大幅に増やすことは難しい状況なので、中

身を濃くしていくしか方法がない。

改善策で挙げた4点と、現在の勉強会においていかにリーダーシップを発揮し

ていくかがポイントになる。

先日勉強したリード診断では高協労、高指示という結果だった。確かに部下に

任せず口を出すことで、成長を遅らせることもあったと思うので、主任に権限を委

譲しながら、それぞれに合った育成スタイルを確立させることが重要だ。

そして教えることよりも、自分たちで考えさせることを今後のひとつの課題とし

て計画していきたいと考えている。

また勉強会委員として、本社と加工部で1人ずつサポートしてもらっているが

明確な役割と責任、権限をリーダーとして与えていき、全員参加型の勉強会のスタ

イルの構築を目指す。

 

3・勉強会スケジュール

2月 Amy Cuddyのプレゼンの視聴

内容と構成についての感想や意見交換

 

3月 「ファイブ・フォース・モデルによる業界分析」の作成

対応策も含め意見交換

 

4月 営業部でSWOT分析を行う

テーマ「新規開拓営業」「既存客ボーリュームアップ」

 

5月 ~ 11月

営業社員による、個人研究発表

テーマについて、事前に個人面談を実施

 

12月 繁忙期のため未定

 

4・監査手法

・毎月末の管理職会議で次月の勉強会の内容を報告

・社長、専務のスケジュールを合わせ出席してもらう

・勉強会後のレポートを専務に報告

・内容、日時に関して事前に営業部長に相談

 

5・まとめ

今回このような研修の機会を与えてくださった社長、またいろんなサポートをしてくださった営業部の皆様、またF&Mさんや一緒に学んだスクールの方々に厚く御礼申し上げます。一人でもメンバーが違えばまた違う授業になるだろうし、この「学び」はこのスクールでしかできなかったと考えると貴重な体験だったと感謝しています。

授業中に校長先生が買い物や、日頃の生活の中で一日何件もシミュレーションしているという話をしてくださって、とても感銘を受けました。

私は友人とよくカラオケボックスに行きますが、ストレス発散して楽しかったで終わっていました。しかし視野を広げるとシステム、サービス、料金、メニュー構成、備品の配置、ターゲットなど様々なことが勉強できます。

机に座ってする勉強だけでなく、嬉野合宿でのホテルもそうでしたが自分の身の回りの情報が見方によっていくらでも教材になることに気付かされ、「学ぶことの大切さ」と同時に「学ぶことの楽しさ」も教えていただきました。

スクールでの学びをどう生かすのか?という問いの結論は、この二つを社員に伝えていくことだと思います。

これからも「楽しく真剣に」という信念を持ち、社員に勉強する機会を与え続け

リーダーとして導いていけるように努めます。ありがとうございました。

pagetop