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修了生論文

社史から観るBOOKSあんとくの内的イノベーション

福岡校(F-college) 安徳 紀美 (株式会社Booksあんとく )

1. 動機

私で3代目となる株式会社BOOKSあんとくは、祖父の安徳亀吉が糊製造・販売と文具を販売とするキング屋を創業しました。 その後戦争・終戦・高度成長の時代の変化がある中で当社はこれまで生き残ってきました。しかし、現在では書店・レンタル業界が不況業種の一種と言われております。そこで、当社の先人はどのように時代の流れを読み取り自社がどう変化させていったかを調べ生き残りの道のヒントを得ていきたいと思います

 

 

2. BOOKSあんとくの社史 (時代と比較し革新的と思う部分を枠で囲みます)

 

昭和元年  安徳 亀吉 キング屋 創業

(糊製造販売・文具雑誌販売)

安徳亀吉は、久留米市の鳥飼高等小学校卒業後、京町の呉服店に丁稚奉公後、東京に上京し、書店の丁稚奉公に行きながら夜間の明治専門学校で学んでおりましたが、資金不足で退学し、その後久留米に帰省し、緒方重乃と結婚し、久留米市本町5丁目で糊製造・文具販売を始めました。その他文具以外にも、久留米の老舗書店、金文堂から雑誌を卸してもらい、雑誌販売も行っていた。

 

昭和16年

雑誌販売は好調であったが、雑誌の入荷に限りがあったので、金文堂からでなく昭和16年に設立された日本配給(株)と直接取引を行い始めた。

 

昭和20年  戦争終結

※戦後、「過度経済力集中排除法」(集排法)が 公布され新しい「日配」も適用指定を受け昭和24年には、GHQの命を受けた閉鎖機関整理委員会によって閉鎖機関の指定に至る。その後同年には、「日本出版販売株式会社」(通称「日販」)が設立。すでに昭和22年に開業していた(株)栗田書店・栗田雑誌販売(株)(現・栗田出版販売(株))、東京出版販売(株)(現・(株)トーハン)などの取次9社が並ぶことになる。)

 

昭和22年 久留米市六つ門に第一号店  開店

 

昭和27年 合名会社 安徳書店 会社設立 社名変更

 

昭和33年 安徳 寛 入社 <当時 年商767万円>

当時久留米はゴム製造が盛んで、工場の職員は女性が多いことに着目し、女性の雑誌を中心にゴム工場に営業をかけルート販売を確立。その後、雑誌だけでなく当時、出版社から発売されていた豪華本(美術全集・陶器付き焼物全集)など、商工会議所を通じて展示会を開催。その時まだ久留米の書店ではしていなかったクレジット会社と提携し分割支払いを促進していき、お客様の買いやすさをと売掛金の回収難をなくしいいった。

 

昭和38年 外商販売 主婦の友「ホームブック」1,200部販売(全国1位)

 

昭和52年 九州初コミックコーナーを設置

 

(昭和30年頃から少年漫画が相次いで創刊するも昭和40年半ばになると少年だけでなく、少女漫画も創刊されていき、漫画の第三次ブーム到来。)

 

昭和57年 雑餉隈店 開店

 

昭和59年 二日市店 開店

 

昭和61年 雑餉隈店・二日市店2店舗閉店

〃    山門郡三橋町に山門店 開店

(筑後地区で郊外型複合書店第一号店)

2代目寛社長は、商店街の書店を開店したものの時代の流れが郊外店になると、愛媛県、松山にある明屋書店の書店特訓ゼミナール(後の書店大学)に参加し、明屋書店の指導を受けながら外商から店売に切替る準備を整え、雑餉隈・二日市の店舗を閉店した後、日販の反対を押し切り、柳川の三橋に90坪のお店を開店。

九州2番目となるビデオレンタル・文具・書籍の複合書店を出店。

 

昭和62年  山門店リニューアル  12坪増床

この頃からビデオ・CD レンタル市場が急 速に台頭してきた。郊外型大型書店が増え書籍とビデオとCDレンタルとの複合化により相乗効果も実証されはじめた。

レンタルビデオ以外にCDレンタルも開始。当時山門店店長であった、現安徳博行会長は平成2年日販出版流通学院第一期生として参加し、メンバーから、ゲームソフトの買い取りと販売を指導協力して頂き、店舗に導入する。

 

昭和63年  久留米市櫛原店 開店 売場110坪

(本・レンタルビデオ・レンタルCD)

 

平成 元年  山門店隣接地 350坪購入

山門店増床33坪 売場135坪

カラオケ店 開業(10棟)

<年商5.5億円突破>

 

平成 2年  パソコンの導入  会計ソフトの導入

今日でいうキャッシュフロー経営

 

平成 4年  三潴郡三潴町 (土地882坪購入)

三潴店 開店アイテム

(書籍・文具雑貨・ビデオ、CDレンタル・

ゲーム・セルCD)

<年商9億円突破>  売場180坪

新規スタッフへの教育の一環としてのツールを作成。それまで、店舗ごとの最初の新人教育を共通化させていった。

 

平成 5年 櫛原店リニューアル 60坪増床

(文具・雑貨導入、レンタル増床)

<年商12億円突破>  売場170坪

 

平成 6年 山門店 全面建て替え 売場190坪

カラオケ店廃業

(書籍、文具・雑貨、ゲーム、セルCD・ビデオ、

CDレンタル)

 

BOOKオフ津福店 オープン

土地158坪 建物70坪

フランチャイズに加盟して九州で2番目に出店

<年商14億円突破>

 

平成 7年 六つ門店 リニューアル

コーポアントク 土地151坪購入(ワンルームマンション30室)建設

<年商16億円突破>

 

レンタル部門 経営コンサルタントによる運営指導(1年間)稼働計画、朝礼フォーマット、予算の立て方など本部機能を入れチェーンオペレーションを確立。

 

平成10年 荒尾店(土地1544坪購入)オープン

複合アイテム(本・文具・ゲーム・セル・ビデオ、

CDレンタル) 売場340坪

<年商17億円突破>

POSシステムを導入

自動発注(本が0冊になると、自動で日販に発注)、全店の在庫閲覧、店舗間の移動システム、雑誌の定期改正などを効率よくさせる。

 

平成11年 櫛原店リニューアル

(レンタル・セルCD売場変更、文具売撤去)

三潴店リニューアル

(レンタル・セルCD売場変更)

山門店リニューアル

(レンタル・セルCD売場変更)

<年商20億円>

 

平成12年 白川店オープン BOOK オフ

11月  (中古本・レンタル)

九州で初めてブックオフにレンタル売場を併設させた店舗を出店。

 

平成13年  10月  三潴店リニューアル 事務所増築

 

平成16年

第一回「会員制書店の新規ビジネスプラン」  経営革新取得

今まであった当社で購入されたお客様にポイントを付けていくこくことで、囲い込みを図った。

 

平成18年 9月 山鹿店オープン 2フロア 建坪540坪

駐車場共有150台

 

平成19年 11月 合名会社安徳書店から

株式会社BOOKSあんとく 社名変更

 

平成20年

第二回「地元密着型の複合店リニューアルと会員サービスの更なる高度化」経営革新取得

【新規スタイル複合店にリニューアル化】

【顧客管理サービスの導入】

【HP、メール会員システムの変更】

【中古商品のネット販売】

 

平成21年 2月 三潴店 裏の土地購入800坪

三潴店リニューアル 2フロア

建坪782坪 駐車場900坪

久留米市で最大店舗になる。

 

平成23年 トレーディングカード中古買い取り  開始

 

平成24年 櫛原店閉店

1月

 

平成24年 荒尾店リニューアル 建坪652坪 駐車場800坪

2月 荒尾市で一番店になる。

 第三回「新システム導入による中古商品の効率販売管理と地元企業への絣柄カバー広告の提供」 経営革新取得  店頭に出せなくなったレンタル商品の在庫をネットに出品開始。同時に自動で競合店よりも金額を下回るようなシステムを導入。それにより金額設定の更新の手間を削減。地元の絣を使ったサービスのブックカバーに変更することで久留米市の書店をアピールし、織り曲げたところに企業の広告をのせることで、コスト削減。

 

平成24年 キング屋ネット通販事業開始

 

平成25年 6月 安徳紀美3代目代表取締役就任

今まで業者に委託していたレンタルの加工を社内で加工をすることで効率をあげ、備品などの一元管理も行った

 

平成25年 物流センター設置

 

平成25年

レンタル強化の為、株式会社アルゴと業務提携大手レンタルショップにできないアダルトのジャンルを強化。            アダルトだけでなく、他ジャンルも含め平均5.6万本のレンタル在庫数を倍の11.12万本の品揃えにすることで、地域一番店を構築。

 

株式会社 経営支援改善支援センター コンサルタント契約

5Sを通しながら組織活性化。NO1プロジェクト開始

 

平成27年4月

第四回「書店におけるワークショップ型カフェ

及び地元の食材を使った商品提供」

経営革新取得

 

平成27年9月あんカフェオープン

 

平成28年7月

第五回 「リアル書店とネット書店の融合で売上拡大」

経営革新 取得

 

平成28年 10月 あんカフェクローズ

 

平成28年 12月 株式会社 益正  業務提携

 

平成29年  現在に至る

 

 

3. 社史に観る自社のイノベーション

今回、自社のイノベーションを調べる中で、現会長に一番の改革は?と聞いた際、外商中心だった店を店売に移行したことと言われました。

教科書販売を持っていない弊社では、学校に入り込むのは難儀であり、商店街の店舗を閉鎖し、当時九州の書店ではまだ郊外店の出店がなく郊外店に店舗を構えるのは、大きい決断だったと言えます。

その後、200坪の店を中心に店舗数を拡げ、その時代にあった商品(レンタル・ゲーム・CD)を展開していき、大型店が進むと地域一番店としてリニューアルを繰り返しすることで、お客様のニーズにあった売場の構築ができていったと思います。

 

 

4.過去に実施したSWOT分析と今後の自社

強み

・ジャンルごとの担当制を持ち専門性を持たせている。

・複合書店の強みを生かし、お客様のニーズに合わせて売り場変更

を行っている。

・オリジナルあんとくカードの顧客の多さ

・地域・大きさ地域一番店

 

弱み

・スケジュールの精度→PDCA

・人事、労務の評価基準のあいまいさ

・チェーンオペレーション

→サイン関係、ローカルルール

・あんとく会員からの顧客分析ができていない

 

機会

・学習要綱の変更で教育に関わる書籍のニーズが高まる。

・団塊の世代の定年後趣味に読書が2位。

・ついで買いのシナジー効果が高い。客単価アップにつながる。

・レンタル部門では、少子高齢化に対応した売場レイアウト、サービスを導入する

(シルバー会員、キッズ会員等)

・文具部門は、正味が低いため増床する場合、坪当たりの投資金額が抑えられる。

・文具の機能やコストパフォーマンスが時代にマッチして市場が伸びている。

 

脅威

・市場の動向は横ばいで、不採算店の閉店、廃業が進むと考えられ、 競合に勝り、残った店舗のみ売上プラスになる。

・インターネット通販電子書籍の登場の普及による紙媒体の衰退

・ここ数年でのレンタル料金低価格化が利益を圧縮させている。

・スマートフォンの急速な普及でゲーム専用機の必要性が薄れていく。

・デジタル化によるオンラインダウンロード販売が徐々にシェアを伸ばしてくる。

 

 

まとめ

前述のSWOT分析は自社で4年前に実施したものです。残念ながら弱みや脅威において4年後である現在と変わらないだろう点が多数存在します。そのような中で、引き続きオペレーションの改善や組織強化(自社にとってのイノベーション)を行ってインターネットやアマゾンではできない、リアル店舗ならではのお店づくり。お客さま、業者様、スタッフ、経営者との、未来につながる経営を目指していきます。

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