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修了生論文

経営理念の策定と浸透

東京校 (T-college) アドヴァンス 斎藤 裕

1.動機

 

私はベーシックで学んだことをもとに、全社員のベクトルをあわせて、社員の価値観の統一をさせたいと思うようになりました。

そこで、より分かりやすく、覚えやすい経営理念を策定し、浸透されることにより、意思統一が図り、生産性向上につなげていき、ひいては、売上げを上げたいと思っています。

 

 

 

2. 企業概要

 

会社名:株式会社 斎藤鉄筋工業

所在地:栃木県佐野市西浦町587(佐野インター産業団地内)

代表者:斎藤 淑江(義母)

設立 :昭和54年8月(創業38年)

資本金:2,100万円

社員数:42名

事業内容:土木・建築鉄筋工事請負 在来筋・ネジ筋精密切断(注1)・

メッシュ筋加工請負(注2)

営業範囲:栃木 埼玉 茨城 千葉 東京 群馬

関東地方のほぼ真ん中に位置する立地を生かし、関東一円の病院や物流倉庫などの大型物件を主に施工しています。

取引先:清水建設 大成建設 鹿島建設 大林組 戸田建設 鴻池組 フジタ   三井住友建設 五洋建設 東亜建設工業 前田建設工業etc

(注1) ネジ形状をした鉄筋をバンドソーといわれる高速回転する刃で断面を潰さずに切断する工法

(注2) スポット溶接機を用いて鉄筋を溶接し、半製品にする加工のこと、

 

2-1 鉄筋とは

鉄筋とは、ビルやマンションといった建物や橋、高速道路などの基礎や、住宅に至るまで私たちの生活する基礎に使用されています。長い鉄の棒状のものを建物の形状あわせ加工し、組立て、コンクリートで固めることで、鉄筋コンクリート造となります。

鉄筋は人間でいうと「骨」と同じ役割をしており、コンクリートの中にあるもので目にすることはできませんが、建物(人)を支えるとても重要な役割担っています。

 

2-2 鉄筋工事とは

鉄筋工事とは、工場にて鉄筋を切断したり曲げたりする加工する仕事と、建設現場にて工場で加工した鉄筋を図面をもとに、組み立てていく仕事です。

わかりやすく言うとプラモデルの大きい盤を自分の手で組み立てていく仕事です。

 

 

3. 当社の概要

 

ここでは、当社の人員構成を説明します。

 

3-1 人員構成

社員の内訳

 

 

3-2 当社の現状と問題点

現在当社は、日本人を中心にインドネシア・ベトナム・ミャンマーの外国人研修生と一緒に4か国の多国籍軍で仕事をしています。上の円グラフでわかるように、多少日本人のほうが多いですが、ほぼ外国人が半数になっています。

こういった現状から、コミュニケーションは日本語で行っていますが、細かい指示や命令が行き渡らず、小さなトラブルなどが起きています。

そこで、1動機で書いたように、ビジネススクールで学んだことをもとに、新しい経営理念を策定し、社員に浸透することを使命にしたいと思います。

 

 

4. 経営理念とは

 

ここでは経営理念を説明します。

経営理念とは、働く社員の拠り所であったり、会社の価値感や半永久的な方針を示しています。さらに、経営理念と業績の関係には下記の通り正の相関関係があるといえます

 

(規模)

 

 

売上が多い会社ほど、経営理念がある割合も多くなっているのがわかります。

逆に経営理念があるから売り上げが上がっていくとも言えます。

こういったことから、当社は経営理念をしっかり策定し、売り上げを上げるというモデルにしていきたいと思っています。

 

4-1 当社の経営理念

「熱く、ひたむきに 愛を持って」

~生涯を通して、社会にどう役立つことができるか~

私たちはものづくりを通して縁あるお客様と共に、縁ある仲間と共に 私たちはものづくりを通して縁あるお客様と共に、縁ある仲間と共に自己の持つ力を最大限に発揮し、たった一度きりの人生で巡り合えた人の喜ぶ顔が見られるように仕事をします。自分に何ができるか、どうしたらできるかを考え、全うし、目の前にある仕事に感謝し歴史に生きた証を残します。

 

この経営理念は、創業社長である義理の父が9年前に亡くなり、社員の気持ちも会社の業績も落ち込んでしまったのを機に、沈みかけていた気持ちを盛り上げるべく現社長を当時専務取締役であった妻とで、考えたものです

 

4-2 当社の休憩所

 

 

当社の休憩所の一番見える場所に経営理念を掲示しています。

 

ここで、経営理念がどれだけ浸透しているか社員(外国人研修を含む)にアンケートを取りました。

 

  • 経営理念を言える       ・・・2/30人(6.6%)
  • 経営理念があることは知っている・・・18/30人(60%)
  • 経営理念を知らない      ・・・10/30人(33.3%)

 

結果は、90%以上の社員が経営理念の中身を知らないということがわかりました。

作成時に社長から経営理念の説明がありましたが、それから5~6年経ち、そのころいた研修生はすでに帰国し、日本人社員も入れ替わりが激しいため、ただ憩所に掲示しているだけで、全く浸透していませんでした。

今から思うと、ただ掲示しているだけで浸透するわけがないと、アンケート結果を見て深く反省しました。

 

 

5. 有名企業の経営理念の例

 

ここでは、有名企業はどんな経営理念なのかを調べました。

 

①株式会社ファーストリテイリング

「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」

 

②株式会社永谷園

「味ひとすじ」

 

③株式会社壱番屋

「ニコニコ・キビキビ・ハキハキ」

 

④大成建設株式会社

「人がいきいきとする環境を創造する」

 

上記の会社の企業理念は、会社の方向性を短い言葉で示しており、とてもわかりやすいことがわかります。

 

5-1 経営理念をいかに浸透させているか

 

 

経営理念の浸透の仕方を知り合いにインタビューしてみました。

その結果、まずは入社員研修で経営理念を覚えるという会社が多く、日々の朝礼で唱和したり、上司がいきなりテストするといったことを行いながら、浸透させていることがわかりました。

また、経営理念をわかりやすく動画にして、それを休憩所や事務所で流しているといった会社もありました。

さらに、会議などで、意見が割れた際、経営理念に沿っているかどうかで決議を決めるといった会社もありました。

以上のことから考えると、経営理念を暗記することから始まり、内容の理解を深める努力が必要だと感じました。

 

 

6. 新しい経営理念の作成

 

前述の円グラフであったように、当社は外国人と日本人の比率がほぼ半分半分という割合になっていることから、外国人にもわかりやすい経営理念が必要であると感じました。
そこで、新しい経営理念の案として

「Coolly and Enjoy!!」

という言葉を考えましたが、今ある経営理念にまさる言葉が思いつきませんでした。

 

 

7.まとめ

 

有名企業の経営理念を参考にしながら、いろいろ新しい経営理念を考えてみましたが、新しい経営理念を作成するよりも、今ある経営理念を専務である私が社員と向き合いながら社長の考えや先代の思いを伝える役に徹し、もっともっと社員との距離を近づけることが大切であるということに、行き着きました。

会社の核となる日本人社員に対しては、若手社員から個々または少人数であつめ、今ある経営理念に対する社長や先代の思いを私から積極的に伝えていくことをしていきます。
さらに、問題となっていた外国人研修生に対しては、日本語では伝わりにくいと感じたので、通訳の方に翻訳をお願いし、それぞれの母国語に訳してもらい、母国語で説明し、当社の経営理念を伝えていき、宿舎に掲示することも行っていきたいと思います。

また、掲示するだけで終わらないように、研修生の日本語の勉強のためにも日本語で覚えてもらうことも考えています。

最後に、この経営理念を策定するにあたり、新たに分かりやすく素晴らしい経営理念を策定すれば、社長に認めてもらえると自分本位に考えていました。さらには、いい経営理念を策定し浸透することができれば、私が事業継承しても社員は付いてきてくれるとまで浅はかに考えていたことに深く反省しまいした。

そうではなく、今ある経営理念を浸透する役ができなくては、事業継承もできないと思うようになったことで、社長と社員の架け橋になれるようにしていきたいと思います。

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