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修了生論文

経営理念浸透の効果による、当社の未来経営戦略

福岡校 (F-college) 堀ノ内 茂樹

1.企業概要

 

設立(創業) 昭和39年5月16日
所 在 地 鹿児島県霧島市牧園町高千穂3864番地

平成30年6月に霧島市に国分事業所開業予定

従業員数 17名(男性11名・女性6名)男女比 2:1
資 本 金 2,000万円
業務内容 建築部(鹿児島県、霧島市公共工事・リフォーム工事全般)

土木部(鹿児島県、霧島市公共工事・民間外構工事・進入口工事等)

介護事業部(福祉用具貸与・福祉用具販売・介護系住宅リフォーム)

住宅事業部(ローコスト新築住宅・自然素材住宅)

決 算 月 3月

 

 

2.経営理念作成の動機

 

今日では様々な出来事が国内外でも起き、企業(組織)のあり方も、日々変化が求められる時代が当たり前になってきています。また、人手不足を解消する為、会社と従業員との関わり方や、会社は従業員の為にどうあるべきなのかが問われています。

今までの常識が非常識であり、日々自ら脱皮し、先見の明を持ち続ける事が、今日では必要不可欠となってきています。また、社内でのコミュニケーションの手法も昔と変わらない事、場合によっては古き良き時代の当たり前の事を捨て、新たな取り組みや手法が、これからの企業には必須となってきています。こんな時代だからこそ、責任ある企業として株式会社堀之内建設は社員一丸となり、「我社は何の為に存在するのか」「我社は誰の為に存在するのか」「我社の役割りは何なのか」を全従業員が同じベクトルを向き、お客様にとって、また地域にとってなくてはならない企業として、日々成長し続ける必要があります。

そこで、従業員と会社が共に進むべく方向性を明確にする為に、経営理念を作成し、経営指針書作成・経営計画を立て、計画が決められた通りに遂行できるよう、一つの羅針盤(道しるべ)として、経営理念を作成します。

強靭な企業を全従業員と共に作り上げ、少しでも、従業員とそのご家族を幸福に出来る様、「経営理念」と「経営戦略」の2つの切り口から未来経営戦略をフレームワークに基づき以下に立案します。

 

 

3.何故経営指針が必要かを以下に示します。

 

①.会社の内部的要因(強みと弱み)を明確にし、進むべく方向を明確にする。

②.会社の外部的要因(機会と脅威)を明確にし、克服回避する為に対策を打つ。

③.会社の存在意義を全社員が理解し、進むべく方向を明確に意識し行動する。

④.利益を出し、社員の皆さまに還元する。

会社のあり方とは、従業員の皆さまとその家族が、少しでも幸福になれる空間でなければならないと考えています。経営者自身が自らにベクトルを向け、どの様にすれば従業員が働きがいやモチベーションを持って仕事に取り組んで頂けるかを、経営者が自分自身に常に問い続ける必要があります。

 

 

4.経営する目的を明確にする為に、以下の項目について示します。

 

①.何のために経営をしているのか

我社は建設業と言う「モノ造り」を通じ、従業員が仕事に対するやり甲斐と生き甲斐を持ち、従業員そして従業員のご家族、お客様、協力会社様、地域の皆さままでが幸福になれる様に経営をします。

 

②.わが社の固有の役割は

技術と信用により、地域の方々が少しでも安心して暮らせるまちづくりに貢献します。

また、様々な企業活動により、地域の方々に地域における人材育成、地球目線規模に至るまでの環境保護等を考える機会になる様、意識喚起に寄与することを役割とします。

 

③.取引先、仕入先に対する基本姿勢

取引先様、仕入先様は会社にとって強力なパートナーです。相互に信頼でき相互に痛みを分かち合い、そして相互に幸福になれる関係を築く努力を、互いにしていかなければなりません。それには、「誠実な関係」が最も大切です。我々が誠実さを欠いた場合、お客様や我社に信頼を置き、お付き合いして下さっている全ての方々を裏切る行為になる事は言うまでもありません。

 

④.地域社会や環境に対する基本姿勢

環境整備やボランティア活動を行っている目的は、地域の方々へ感謝の気持ちをお伝えするひとつの手法です。また、環境整備に関しては決められた事を決められた通りに行い、従業員のベクトルを合わせる事も目的のひとつであります。会社として間違ってはならないのは、ボランティア活動の目的は地域の清掃をする事ではなく、地域の方々へ日頃の感謝の気持ちをお伝えする事です。

 

 

5.経営理念浸透の効果目的を以下に示します。

 

会社が何を目指しているのか、数値目標とは何なのかを明確にする為、経営指針書に則り、年間100回の理念浸透会議(早朝勉強会)を開催します。その事により、我社の進むべき方向性を全従業員で確認認識します。以下を全社員が常に意識する必要があります。

 

①我社は何の為に存在するのか?

②我社は誰の為に存在するのか?

③我社の役割りは何なのか?

④我社がなくなった時、誰が困るのか?

⑤会社の内部的要因(強みと弱み)を明確にし、進むべく方向を明確にする。

⑥会社の外部的要因(機会と脅威)を明確にし、未来に向けて対策を打つ。

⑦会社の存在意義を全従業員が理解し、進むべく方向を明確に意識し行動する。

⑧利益を出し、従業員の皆さまに還元する。

⑨各部門の数値目標を確認し、達成出来た点改善点を検証し、進捗状況を確認する。

 

 

6.経営理念浸透の為の取り組みを以下に示します。

 

①社長面談

従業員の仕事上での悩み事やプライベート(話せる範囲のみ)での悩み事や、改善点等をヒヤリングし、経営者と従業員のコミュニケーションを図る機会とします。

社内全体のコミュニケーションに注視するだけでは、個々がどの様な状態にいるか、会社は従業員の心の声に耳を傾けているのか等、見落しがちになります。その為、2カ月に1回社長と全社員が1対1で話す社長面談を開催し、社員満足(ES)や顧客満足(CS)の達成度を確認し、理念が理解出来ているか等の確認を行います。

 

②経営理念浸透会議

経営理念を作成したが、従業員になかなか浸透しない事があります。よって、毎週月曜日7時20分と毎週木曜日8時20分から15分間、年間100回の経営理念の浸透会議を開催します。そこで、経営理念を通して、全従業員同士がコミュニケーションを図る一つの機会とします。

 

 

7.その他の取り組み

 

①環境整備

堀之内建設は何時も直ぐに仕事が取り掛れる体制を常に確保しておく為に、毎週月曜日朝7:00より、事前に決められた場所を決められたルールで環境整備を行います。環境整備終了後、環境整備リーダーと社長で〇か×でチェックを行い、×の箇所を次回までにどの様に改善するのかを記載し、検証改善を繰り返して職場の環境を整備します。

※環境整備の目的

 

①.堀之内建設の同じ組織内の従業員が、現場の都合上毎月数回しか顔を合わす機会がない為、全従業員がコミュニケーションを図る為の一つの機会とします。

②.お客様・取引先業者様・銀行様等に来社頂いた時、社内のイメージアップを図る為に行います。

③.誰が見ても、どこにどの書類があるか一目で分かる様にしておくことで、業務の効率化を図り、業務の無駄を無くす目的で行います。

④.PDCAサイクルを癖にする(体で覚える)為にチェックリストを使い、改善点を検証し、次のアクションに移し、どの様にして更に良くするのかを身に付ける為の、訓練の一助とします。

 

 

8.従業員数の推移

 

年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度
従業員数 11名 11名 11名 11名 13名 14名 17名
志願者数 0名 1名 0名 2名 4名 6名 16名
採用者数 0名 1名 0名 2名 4名 2名 7名
離職者数 0名 1名 0名 0名 5名 4名 2名

 

※従業員数推移の検証

経営理念が確立されていない時期は、仕事をしてもしなくても給料がもらえると言う風土でした。求人は常に出していましたが、面接希望者もほとんどなく、平成21年から平成26年まで従業員数も全く変化がありませんでした。

平成27年に経営理念を作成後は、方針が合わないと言う理由により、約2年間で9名の離職者が出ました。しかし、平成29年度から、経営理念が少しずつ浸透してきた事により、社風も大幅に改善され、平成29年度には1年間で16名の入社希望者があり7名の採用に繋がりました。

 

 

9.売上高・利益額等の推移(千円)※29年度は予定

 

年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度
売上高 195,905 105,761 188,404 342,602 148,647 229,897 375,000
売上原価 204,688 116,474 181,724 331,505 139,203 195,950 300,000
売上高総利益 ▲8,782 ▲10,713 6,679 11,097 9,443 33,947 63,750
売上高総利益率 ▲4.48% ▲10.13% 3.55% 3.24% 6.35% 14.77% 20.00%
経常利益 ▲24,701 ▲34,264 ▲14,629 ▲13,053 ▲20,874 810 24,820

 

※売上高・利益額等推移の検証

23年度から27年度までは、取締役の幹部が変化を嫌い、会社が打ち出した方針に対し反発しかなく、赤字体質から抜け出せず毎年赤字計上でした。社内コミュニケーションも場当たり的で、何をやってもうまくいかない時期が続きました。原価が売上高を上回る時期もあり、企業としての存在意義が問われる事態となりました。

27年度に経営理念を社内で発表し、一時は大幅な離職者(取締役の幹部等)が出ましたが、28年度・29年度には反発者もいなくなり、6に示した様々な取り組みによって、利益体質となりました。売上高に関しては、23年度と29年度を比較すると1.9倍となり、売上高総利益率は24.48%アップとなり、安定した経営体質となってきたと思われます。

 

 

10.経営理念浸透の取り組みとその効果による考察

 

経営理念作成当初は、従業員に対し経営理念を説明することさえも、困難でありました。しかし、私自身が経営理念について学ぶにつれ、我社は何屋さんなのか、また我社は何の為に、そして誰の為に存在しているのかを、自分の言葉として説明発信出来る様になってきました。現在では様々な取り組みの成果により、経営理念の一つ一つの言葉の意味を従業員も理解し、自分たちは何の為に仕事をしているのか、自分たちの役割は何なのか等、日々行動する上で経営理念が判断基準となり、仕事に活かせる様にまでなっています。人材が育ち、また従業員のベクトルが同じ方向に向いた事により、今後の事業戦略においても、様々な事に全従業員でチャレンジ出来る社風が築かれてきています。そして、様々な手法による内部コミュニケーションの充実により、従業員同士お互いがお互いの為に何が出来るのか、また、仕事上での情報共有の充実により、どの様にすれば、更にお客様に満足して頂けるのかを、全従業員が常に考える事が出来る様になりました。

売上高や利益率に関しても、決められたルールで仕事をする事が、会社の風土として根付いてきました。また、PDCAサイクルを回し、検証し改善に繋げる事も風土として根付き数字を意識し、仕事に取り組む事が出来る組織になったと思われます。

よって、現在培われた会社の風土を十分に活かし、下記より未来経営戦略をフレームワークに基づき以下に立案します。

 

 

11.未来経営戦略

 

①SWOT分析により、我社の強み弱み機会脅威を明確にし、以下に示します。

 

SWOT分析

内部環境のプラス要因である

強み(Strength)

①過去のお客様がいる。(リピーターがいる)

②対応が迅速である。

③建設業が介護事業を行っている。

④経営理念の浸透により、従業員自身の成長が伺える。

内部環境のマイナス要因である克服すべき

弱み(Weakness)

①公共工事に依存しなければならない。

②新築住宅に関して、デザイン性に関するスキルが不足している。

③建築の技術者が高齢である。

④造作大工が1名しか在籍していない為、受注に影響が出る恐れがある。

⑤従業員の高齢化により、現場監督として施工する技術者がいなくなる恐れがある。

⑥住宅事業部の受注がなく、経費がかかる

恐れがある

⑦営業が苦手である。

強みによる外部環境への

機会(Opportunity)

①過去のお客様リストより、定期的な訪問や、リピーターのお客様によるご紹介を頂ける。

②約80%のお客様が移動距離30分以内の地域に住んでおり迅速な対応が可能である。

③福祉用具貸与や販売により新たな顧客とのネットワークが期待出来る。

④従業員の成長により、新たなアイデアや会社が目指す方向性に対し共有が出来る。その事により、新たな顧客獲得に全従業員が協力し繋げる事が期待出来る。

 

外部環境からの脅威により回避すべき

脅威(Threat)

①建設業同業他社が、介護の同じビジネスモデルを開始する恐れがある。

②頻繁に介護保険法等が変更になる。

③協力会社様の技術者不足により、受注に影響が出る恐れがある。

 

 

 

※SWOT分析から見える事

我社の今までの強みは、長年地域に根差した企業であると言う点でした。その事により、過去のリピーターのお客様からの依頼や、そのお客様からのご紹介でお付き合いが始まったお客様も多数います。しかし、営業スタイルも過去のものとは変わってきている事もあり、時代に合った営業スタイルの確立も必要であります。また、迅速な対応に関しては、どの様にして30分圏内のお客様から60分圏内のお客様まで迅速な対応を取れる様になるのかを、模索する必要があります。この事はITが普及している今の時代には、チャンスであると捉えても良いのではないかと考えます。IT等を活用する事により、更に生産性を上げ、効率化を図り無駄をなくす手法を確立出来る様、更に推し進めていける事であると考えます。

また、建設会社が福祉用具を取り扱っているビジネスモデルは、今後の高齢化社会にも十分貢献出来る事であり、それから広がる新たな顧客獲得の機会に繋がると考えます。

そして、人手不足に関しては、経営理念の浸透により社風が良くなった事で、29年度は16名の入社希望者があった事を考えると、現在働いて頂いている従業員一人ひとりが、良い会社の風土を作ってくれていると推察出来ます。人材不足による採用に関しては、今後も従業員重視の会社として会社運営を行えば、克服できると考えています。

また、脅威の1つにも上げた同業他社が同じビジネスモデルを行った場合に関する件に関して仮設を立てると、企業は人財で成り立っているので、人財が育ちつつある我社にとっては、今後更に従業員重視であり、日々変化に対応する社風であれば、他社に追随をさせないのではないかと考えます。

そして、協力会社様の技術者の人材不足に関しては、我社が創業以来ずっと守ってきた支払い条件(月末締め翌月15日100%現金払い)により回避出来ると考えています。

また、協力会社様に日頃の感謝の気持ちを込め、3年前から年末に全協力会社様(約100社)にお歳暮を差し上げている事も、我社に対し協力して頂けている一つの理由と考えられます。その様な理由により、技術者不足は回避出来ると考えています。今後は、協力会社様と更なるコミュニケーションを図る為に、忘年会を共に開催したり、お客様に対しても、協力会社様の技術力によって建物は出来る等の協力会社様のアピールを、元請である我社が率先して行う事が、協力会社様のモチベーションアップや、囲い込みに繋がると考えています。

公共工事依存に関しては、今後脱却の道を模索していきたいと考えています。

 

②ファイブフォースにより市場分析を示します。

※5F分析(ファイブフォース)競争関係の5つの要因(5Force)

 

⑴既存競合者同士の敵対関係

今後懸念されるのが、技術者不足による協力会社の取り合いになり、施工制限によりお客様にニーズに応えられなくなるのではないかと言う点です。また、公共工事の発注状況により過当競争に陥り、受注機会の減少等が挙げられます。そして、人材不足による、緊急災害時の未対応の増加により、国民の生命と財産を守る事に対しても、懸念される重要事項です。

 

⑵新規参入の脅威

規制緩和による、資格のみで建設業の許可を取得し、低価格で受注にする新規企業の増加による不適合住宅の増加や、宣伝効果の開きによる顧客と技術者の取り合い、そして、施工精度の衰退が懸念されます。

 

⑶代替製品・代替サービスの脅威

機械化やIT化が進むにつれ、過去の良き施工方法や技術力が衰退していく事が懸念されます

 

⑷買い手の交渉力

大手ハウスメーカーによる過大なCM効果による顧客の囲い込みや、企業規模による大量生産での、ローコスト住宅との競合が懸念されます。

 

⑸供給者の支配

協力会社様の人材不足による、高値交渉が強いられる懸念があり、資材の高騰等による利益率減少が懸念されます。

 

※ファイブフォース分析から見える事

 

業界全体にとっての最大の懸念は、人材不足であると分析できます。しかし、全く人材がいなくなる訳ではないので、どの様にして社員満足度(ES)を上げるか、そして、協力会社様満足にも重点を置き、今後の求人や対策をしていけば克服出来ると考えます。

また、IT化に関しても仕事のみで使用すると、負担が増えると捉えてしまい、従業員から拒否感が出てくる恐れもあるので、IT化は効率を上げるものであり、従業員の働き方をも解決してくれるパートナーとして、活躍してくれるツールであると言う事を、従業員に説明する必要があると考えます。また、仕事だけではなく、社内コミュニケーションに一つのツールとして活用できれば、従業員もあまり抵抗なく使用してくれるのではないかと考えます。IT化には今後も非常に期待をしていますし、今後活用しない手はないと考えています。よって、積極的に活用していきたいと思います。

 

 

③3C分析により、市場・顧客(Customer)と競合(Competitor)についての分析結果と自社(Company)の経営資源の現状について分析し下記に示します。

 

⑴市場・顧客(Customer)

我社の市場と顧客は、過去のお客様、新規のお客様、地域住民の方々です。また、公共工事においては、鹿児島県、霧島市となります。そして、福祉事業部に於いては、介護施設、病院、ケアマネジャー、要介護者、要支援者、介護されているご家族となります。

 

⑵競合(Competitor)

我社の競合は、建設会社同業者、福祉用具貸与業者、販売業者、大手ハウスメーカー、地元ハウスメーカーとなります。

 

⑶自社(Company)

我社にいる経営資源としては、1級建築士(1名)、1級建築施工管理技士(4名) 1級土木施工管理技士(1名)、2級建築士(3名)、2級土木施工管理技士(3名) 介護福祉士(1名)、理学療法士(1名)、福祉用具専門相談員(4名)となります。

 

※3C分析から見える事

上記の分析を見ればどこの会社にもある資源は、我社には備わっていると判断出来ますが、他社にないものと言えば、建設会社が福祉事業を行っている点だと考えます。その部分を、最大の強み(バリュープロポジション)と捉える事が出来ると考えます。よって、今後は福祉事業を更に広い視野で捉え、その中から我社にとってのバリュープロポジションを再調査し、売上アップやどの様にして社会貢献や地域貢献が出来るのかを、今後の課題としていきたいと考えます。

 

④VRIO分析により企業の経営資源を分析し自社の競合優位性を以下に示します。

 

⑴Value(経済価値)

我社の経済価値は、緊急災害時に建築部、土木部共に出動出来る体制にあると言う点です。

また、建設会社が介護事業(福祉用具貸与・福祉用具販売)を行っている為、介護系の住宅改修に関して迅速に対応出来ます。他の福祉用具を扱っている会社が住宅改修を行う場合は、自社に建築の知識がない為、他の建設会社に依頼し、施工までに担当者が変わり時間が掛かり高額であります。今後は建設業の人材不足が更に進む為、その様な事態が増えると予想されます。

しかし、我社の場合、同じ組織内で全てが完結するので、お客様にとっても良いサービスが提供出来ると考えます。建設会社が母体の我社であれば、十分に今後の高齢化社会に向け、経済価値があるものと分析出来ます。

 

⑵Rareness(希少性)

我社の経営資源が市場において、希少性の高いものであるかどうかは、経済価値の部分でも述べましたが、建設会社が介護事業(福祉用具貸与・福祉用具販売)を行っている点になると思います。建設会社の正社員として介護福祉士(1名)、理学療法士(1名)、福祉用具専門相談員(4名)が在籍している事は、希少性が高いと判断出来ると考えます。

 

⑶Imitability(模倣困難性)

建設会社が福祉事業に参入するケースは珍しくはありませんが、その多くは施設を建設し福祉事業を開業します。我社は福祉用具貸与と福祉用具販売に特化し、そこから生まれる、介護系住宅リフォームにも建築と介護の専門知識をミックスしたアプローチにより、我社にしか出来ないビジネスモデルにて展開していますので模倣は困難であると推測します

 

⑷Organization(組織)

我社の経営資源を活用する為の組織力に関しては、経営理念の浸透により、決められた事を決められた通りに行う社風が浸透しつつあると思います。よって、方針決定や意思決定、そして、時代の変化に対応し得る柔軟性はあると推察されます。しかし、会社の風土を維持するには、常にPDCAサイクルを回し、検証改善を繰り返さなければ衰退してしまいます。今後も、様々な取り組みや分析により、仮説を立て取り組んでいく事が、重要であると考えます。

 

※VRIO分析から見える事

我社の競合優位性としては、やはり建設会社が福祉事業を行っている点だと分析出来ます。経済価値に関しては、高齢化社会に建設業と言う柱をどの様に活かせるのかが重要です。そこで、建設業と福祉事業シナジー効果により、今後の高齢化社会に十分に経済価値を見出す事が出来ると判断出来ます。希少性に関しても、建築と介護のスペシャリストが同じ会社内に存在し、それを事業に活かしている建設会社はほとんどないので、希少性あると判断出来ます。模倣困難性に関しても、我社もこのビジネスモデルを始めるに辺り7年間の調査を含め、時間を費やしてきた為、模倣困難性も高いと判断出来ます。そして、組織に於いては、経営理念の浸透も図れつつあるので、変化に対応出来る組織であるあと判断します。

 

 

12.研究結果に関しての考察

 

この度、様々な切り口から過去の会社から現在の会社の変化を確認し、そして、経営資源に関しても、SWOT分析・ファイブフォース分析・3C分析・VRIO分析を行いました。改めて自社に出来ている事、そして出来ていない事、また自社にあるものと、ないものの確認が出来ました。

初めに経営理念についてですが、経営者が我社の存在意義を示さない限り、従業員は工事を完了させる事を目的とし、本来重要な目的を理解しないまま、仕事に取り組んでしまう事が考えられます。そして、経営理念は作って終わりではなく、従業員と共にどの様に共有し、浸透させるのかが重要であります。経営理念が浸透する事による効果として、従業員も会社の存在意義を明確に出来る事と、モチベーションアップにも繋がり、経営理念事態が従業員の拠り所にもなっている点だと思われます。そして、仕事上での判断基準ともなり得る事が確認出来ました。更にその事が、業績アップや利益アップにも直結し、今後も未来経営戦略を立てる上でも、会社として取り組みやすい環境にあると分析出来ました。求人に関しても、笑顔で溢れる会社である限り、支持を頂けるものだと思います。

そして、経営資源に関してですが、建築と介護のスペシャリストが在籍している我社は、今後更に高齢化社会が進むにつれ、様々な可能性があります。しかし、それには手法ばかりが先行してしまうと失敗に繋がる可能性が高くなります。よって、人財をどの様にして育て、従業員にやりがいを与え、モチベーションを維持して頂きながら、取り組んで頂く必要があります。今回の論文を作成するに辺り、会社は人で成り立っており、如何に、従業員と従業員のご家族を幸福に出来るのかを自問自答し、お客様満足(CS)と社員満足(ES)が常に両輪である事が、重要であると考察出来ます。

最後に、この度は縁あってF-College03の同志と出会えて本当に幸せでした。これからもずっと共に刺激し合い、成長出来る仲間であれたら更に幸せです。

そして、この様な機会を提供して下さったF&Mの全ての皆さまと、本校の校長の原田校長には本当に感謝です。ありがとうございました。

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