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修了生論文

現状把握とそれに伴う経営戦略

福岡校 (F-college) 野田美咲

1.動機

 

当社の商圏範囲に次々と大型のスーパーマーケットや総合スーパーが進出しており、今後争いがさらに激化すると考えられる。その厳しい市場を生き抜くために今一度、外部環境分析を行い、現状を理解した上で強み分析をし、生き残るために何に力を入れていけば良いのかを考える。具体的に、当社の「ショッピングのだ 出来島店」の商圏範囲に2018年3月中旬に出来た「スーパー○○○」との比較をしながら、具体的なマーケティングと生き残りのための対策を考える。

 

 

2.会社概要

 

設立(創業) 昭和55年5月13日(昭和39年8月)
所在地 宮崎県宮崎市阿波岐ヶ原町坊ノ下2875番地1
社員数 110 名
資本金 300 万円
業務内容 生鮮スーパーマーケット

 

 

3.問い

 

現在の業界分析を行いどのような問題があるのか確認する。

「スーパー○○○」と当社を比較しながら強みを活かしたマーケティングを考える。

 

 

4.研究方法

 

『ファイブ・フォース・モデル』による業界分析を行い、当社がどのような危機があるのかの確認を行う。

『SWOT分析』『3C分析』を行い、強みを生かしたマーケティング戦略を考える。

 

 

5.研究結果

 

『ファイブ・フォース・モデル』による業界分析結果を表1に示す。

 

ファイブ・フォース・モデルのイメージ図1

 

表1.『ファイブ・フォース・モデル』による業界分析結果

 

業界内の脅威

①購買量の減少。(高齢化、単身世帯の増加による一世帯当たりの量)

②人口減少に伴う市場の縮小。

③自然災害による生鮮物の確保の不確実さ。(国内産生鮮物の需要と供給の不釣り合い)

④ネット販売、宅配サービスなどによって生鮮スーパーマーケット以外で確保が出来る。

⑤働く人の人材不足。


(中小企業スーパーの脅威)

⑥大型総合スーパーの拡大。

 

新規参入

①コンビニエンスストア

②ドラッグストア

③ネットスーパー

(食品や生鮮物を扱わなかった業界が扱うようになっている)

 

買い手の交渉力

①インターネットの普及により、情報収集や比較が容易で、選択肢が増える。

②インターネットの普及により、店舗に行かなくても購入可能。

③スーパーの選択条件の豊富さ。

●日時別、曜日別、時間帯別、商品別などで選択可能。

 

売り手の交渉力

①卸業者が市場へ納品せず、直売所や飲食店などに直接卸すことが増えた。

 

代替品・サービス

①コンビニエンスストアやドラッグストアの増加・拡大。

(店舗数が多く、近さを優先する顧客に選ばれる。常に新作・期間限定品がある)

②インターネットの普及によりインターネット販売を利用する顧客も増加している。

 

この厳しい市場を生き抜くために、内部分析の『SWOT分析』で当社の強み分析し、どのように活かすか考察し戦略を立てる。

『SWOT分析』を用いた当社の強み分析を行い、その結果を表2に示す。

 

表2.SWOT分析結果

内部環境 強み(S) 弱み(W)
a) 仕入れ担当者が、目利きができ、競り落とすことが可能なので、仲卸業者を使わず生鮮物(青果、鮮魚)をこだわって安く仕入れることが出来る。(目利きが出来る従業員がいることも強みである。)

b) 毎週金曜日に流すCM、毎週土曜日に入れるチラシなどにより知名度が上がってきている。また継続的にうてるのも強みである。

c)  従業員が顧客の情報に精通しているので、顧客各々のニーズに合った接客が出来ている。

その顧客に合った商品をお勧めできる従業員に恵まれていることから、地域に密着した接客が出来ている。また、卸業者との取引も円滑に行えている。

d) 商売しやすい環境に立地している。

e)  定年退職後も雇用を続けることで社会貢献している。

f)   県外の顧客も口コミにより年々増えている。(昨年より11件増加)

1) 会議をしないためこれからの方向性にまとまりがない。ベクトルがバラバラ

2) 青果以外が強くない。青果物だけに頼っている。

3) 一人の社員が仕事を抱え込みすぎている。従業員個々の能力差が激しい。

外部環境 機会(O) 脅威(T)
A.B.D)青果物の大売り特売を定期的に開催することが出来る。

A.C) 顧客の声を聞き変化する事が可能。

(例:かぼちゃの煮物用にカットされた一人分パック売りが欲しいなど。要望に応えた商品を仕入れ、加工し販売することが出来る。)

E)高齢者が欲しいもの、買い物する上で困っていることを身近に聞ける。改善することが出来る

F)市場の拡大が可能。

①)店舗ごとで差が出てしまう。

②)他店へ顧客が流れる。買いに来る顧客が限られる。

①    能力のある従業員が辞めた時に普段通りの営業、売り上げを保つのが難しくなる。

 

脅威(T)①~③の対策として

①店舗ごとの話し合い、全店舗合同話し合いを行う。(各部署では二週間に一回、店舗役員話し合いは一か月に一回、全店舗は三か月に一回を目標とする。)

 

②鮮魚、惣菜、精肉の強化。各部署を強化していく上で、各部署の従業員の意識改革、育成も行う。(今後何が求められていくのか、そのためにどのような商品づくり、サービスを行っていかなければならないのかを常に意識させるための改革、そしてレベルが高い商品を作るための研修を行う。)

 

③商品の加工を誰がしても、同じように提供できるようになるまでの研修を行う。能力向上のための研修を定期的に行う。

 

次に「スーパー○○○」が力を入れて行っている事を示す。

~省略する。~

特徴であり、最大の強みは『顧客の声をくみ上げ素早く商品改善・開発に生かせること』と記してある。

このことから、当社の強みが「スーパー○○○」と強みと被っている事が分かる。会社の規模や、取り組んでいる内容から同じ提供の仕方で争うのは困難だと考える。

次に『3C分析』で当社の強み、競合である「スーパー○○○」、相互の「顧客」の観点から考える。

 

3Cのイメージ図

 

顧客分析

宮崎市の人口総数 401,138人、一般世帯数174,942世帯、高校夫婦世帯数(65歳以上の単独世帯)21,182世帯で、一般世帯数における割合は12,1%、高齢単身世帯数(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯)19,977世帯で一般世帯数における割合は11,4%である。

また共働き世帯割合は27,8%、65歳以上の世帯員のいる世帯割合は44,4%。

このことから自社、競合の商圏範囲の顧客の特徴として「高齢者・ファミリー層が多い」と言える。

 

次に、ブレないマーケティングの立案を目的として、コアターゲットとなるペルソナを策定する。

年齢は64歳・女性・住居は商圏範囲の店から2kmまでの範囲。

旦那との二人暮らしで、住居地の近くに娘夫婦が孫と4人で住んでいる。

趣味は、カラオケ。年金支給日に孫へお菓子を買ったり、県外に住む子供に果物を送ったりすること。

毎日昼間に晩御飯の材料を買いに来る。店員さんと話すことが好き。

各部門まんべんなく購入するが特に青果物を買っていく。

 

当社「出来島店」で一番多く見られる顧客の特徴がとても出ているペルソナである。

このペルソナの人物を『清水幸恵さん』と名付ける。清水幸恵さんを基にマーケティング戦略を作成する。

これまでの分析結果から、当社は最大の強み、表2で示した強み(c)の『従業員が顧客の情報に精通しているので、顧客各々のニーズに合った接客が出来ている。その顧客に合った商品をお勧めできる従業員に恵まれていることから、地域に密着した接客が出来ている。』を基に核となる戦略を打ち立てることにする。

当社は顧客との距離間が近く、従業員各々が様々な顧客のパーソナルな情報を熟知している。(例えば、毎週火曜日のお昼、〇〇さんはお惣菜のきんぴらを2つ買っていく。

〇〇さんは、リンゴの中でもジョナゴールド(ジョナゴールドという種類のリンゴ)が好きだ)このような従業員と顧客の関係をより強固なものにしていき、当社にしかできない商品作り、提供、イベントなどの取り組みを行う。

「従業員と顧客の関係を強固なもの」にするにはどのようなことが大事なのか考える。

人間関係なのでメンタル的な話になってしまうが、まずは、何と言っても笑顔で挨拶!これは基本中の基本であるが、この基本が徹底されているスーパーマーケットはまだまだ多くないと考えている。「いつ行っても、どの店員さんも愛想がよくて気が利く。」と言われるために、挨拶の指導、お客様へのサービス指導を徹底して行おうと考えている。

 

そのために、毎日の朝礼(当社は朝礼は毎日は行っていない)を行い、笑顔で挨拶を従業員全員が意識するようにする。

毎日会う人に笑顔で接することにより、自然と会話が弾むと考えている。その延長線上で顧客のパーソナルな情報や要望(こんな商品が欲しい。こんなことに困っている。こんな商品があったら便利。)を聞き出す。そして、聞き出した要望はその日の終礼、もしくは次の日の朝礼で各部署に伝え、後日、その要望がどのような形で反映されたかを確認する。

この一連の作業を「のだのニコニコ運動」と名付ける。

 

その他の取り組んでいきたい内容として、当社主催のイベント「のだフェス」がある。地域密着型スーパーマーケットとしてこれまで周辺地域で行われるお祭りやイベントに関わってきましたが、近年は地域のお祭りを開催する町村が減り、子供やお年寄りが共に楽しめる場が少なくなっている。そこで、ペルソナであげた『清水幸恵さん』も孫と楽しめるイベントを行い、そこでさらに従業員(当社)と『清水幸恵さん』・周辺の地域皆さまとの関係をより良いものにしていきたいと考える。

どのようなイベントにしていくか、私の考えるイベントは大きなものではなく、地域の広場か当社の敷地内で行えるほどの小さなものを考えている。催し物の内容を『清水幸恵さん』、子供向け、地域の人向けの三方面から考える。

 

清水幸恵 〇カラオケ大会(カラオケセットはレンタル可能)

〇昔ならではのおもちゃ(剣玉やおはじきなど)を遊びに来た子供に教えるコーナー。

高齢な従業員がここでの教える側への参加が可能。

〇ビンゴ大会。景品は当社の商品。当社の割引券。

子供 〇ウナギのつかみ取り大会

〇スイカ割り(季節が夏の場合)

〇サイダー早飲み大会

〇ビンゴ大会。景品は当社の商品。当社の割引券。

地域の人 〇出店。当社で作ったものの販売。(焼きそばやおにぎり、りんご飴など)

〇ビンゴ大会。景品は当社の商品。当社の割引券。

 

ここで示したものは手配可能なものである。

『清水幸恵さん』が孫と遊びに来ることを主に想定した催し物である。

この「のだニコニコ運動」「のだフェス」の二つに力を入れて行いたいと考える。

「のだニコニコ運動」は毎日行えるが、「のだフェス」は年に1回、もしくは2回を計画している。

 

 

6.研究結果に対しての考察。

 

人口減少による市場の縮小で、これからさらに生き残りが厳しくなる中、当社は、大型総合スーパーや、新規参入の業者、競合の「スーパー○○○」と差別化をする事で生き残りが可能だと考えられる。「のだニコニコ運動」「のだフェス」は今いる顧客を離さない、また三世帯に渡って通っていただけるとした戦略である。この戦略は、大型総合スーパーや、新規参入の業者と差別化には有効だと考えている。地域の方に愛され、また従業員にも愛される地域密着型のスーパーマーケットを私の目指す方向に合う戦略である。

 

 

7.今後の対応・監査手法。

 

「のだニコニコ運動」顧客の要望を聞き、従業員に伝え改善、または新しい商品の開発をする。そしてその改善したものを維持出来るようにチェックシートを付ける。月に一度チェックシートを確認し、徹底できているかどうかの確認も行う。

「のだフェス」企画チームを作り実行するために計画を立てる。

今回、論文で計画したものを実行するために行動していたが、うまくいかないことが多くありました。従業員全体にやりたい事が浸透していないという事もありますが、そもそも、現状に危機感を抱いていないのではないかと考えるようになりました。なので、今後は従業員に危機感を持たせるために、会議の内容も変えて計画したものを実行するために取り組んでいく。

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