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修了生論文

当社の今と未来の姿

福岡校 (F-college) 後藤 優

1.当社概要

 

当社は熊本県玉名市で大正10年に粘土瓦販売を個人創業してから今年で97年になります。

業務内容は住宅資材販売業で販売対象エリアは主に熊本県内です。最近では福岡県・佐賀県にも販売エリアを拡大しております。従業員は20名(正社員14名・派遣社員4名・アルバイト2名)です。従業員の年代別割合、勤続年数別割合は以下の通りです。

 

 

 

 

2.動機

 

2021年に創業100周年を迎えます。地元玉名市民の皆様に改めて当社をアピールできる絶好の機会ととらえています。この機会に再度社内に目を向け、組織強化を図るとともに、目標を持ち挑戦し、売上も含めた総合的に満足のいく100周年を迎えたいと考えています。その為にはまず、社内問題を把握する事。社員の意識を変えていく事。顧客の現状を把握する事が必要だと考えています。

 

 

3.現状把握

 

3-1 社内アンケート及びヒアリング

3-2 SWOT分析

3-3 ファイブフォースによる業界脅威分析

3-4 顧客の年代別集計

3-5 年間売上高上位100社以内のお客様の現状

 

 

3-1 社内アンケート及びヒアリング

社員(派遣社員・アルバイト含)18名にアンケート用紙(別紙1.)を配布。選択形式で回答を求め、一部記入による回答も求める。アンケート集計後に全社員と面談する。面談の時は意見の聞き取りのみで、意見の交換はしない。

※社長及び勤続年数の短い退職予定の派遣社員は除く。

 

番号 質問内容 回答 選択数
1 危機感が薄いと感じているか感じていないか。 感じている 13/18
2 当たり前のことが当たり前にできているか出来ていないか。 出来ている 13/18
3 仕事に対しての意識行動が積極的か消極的か。 積極的 14/18
4 数字に基づく議論があるかないか。 ある 5/17
5 部署間の連携がとれているかとれていないか。 とれている 14/18
6 朝礼は必要か必要でないか。 必要 16/16
7 役職は必要か必要でないか。 必要 16/18
8 会社の進むべき目標が明確か不明確か。 明確 8/17
9 会社で決めた決め事は継続できているかできていないか できている 13/17
10 原口建材店は地元玉名ではブランド化していると感じている 感じている 13/18
11 会社に対する不満はありますか。 あります 2/18
12 同僚に対する不満はありますか。 あります 6/18
13 上司に対する不満はありますか。 あります 4/18
14 社長に対する不満はありますか。 あります 2/18
16 毎日の行動目標はありますか。 あります 15/18
17 毎日のその日の振返はありますか。 あります 15/18
18 将来業務変更を希望しますか。 希望します 0/18
19 指示される側と指示する側どちらを希望しますか。 指示する方 13/18
20 将来、管理職になりたいですか。 なりたい 7/18
21 学べる環境を会社が準備してくれましたが通常業務と同時進行で行わなければなりません。参加を希望しますか。 希望する 8/17
22 本を読む事はすきですか。 好き 10/18
23 漫画はすきですか。 好き 13/18

 

番号 質問内容
24 自分にとっての会社とはどのような存在ですか
弱いと感じる回答 強いと感じる回答
  • 生きがい
  • お給料をもらう場所
  • 自分自身を成長させる場所
  • 生活する為に必要・大事なもの
  • 生活の糧
  • 生活が成り立っている
  • 家庭を守る収入源
番号 質問内容
25 自分にとっての同僚とはどのような存在ですか
弱いと感じる回答 強いと感じる回答
  • 協力して人間性を高める
  • チームワーク
  • かわらない事を教えてもらう人
  • 助け合っていく人
  • 協力していく存在
  • ルームメイト・仲間・親友・他人
  • 共に成長する存在
  • 頼れる存在
  • ライバル
  • 戦友

 

組織図(補足)

 

当社は社長を筆頭に営業課長(52歳・勤続年数25年)営業係長(38歳・勤続年数5年)の下に営業スタッフが3名。建材課長(57歳・勤続年数31年)の下に配送業務スタッフが4名。サッシ課長(54歳・勤続年数22年)の下のサッシ業務スタッフが3名。事務所係長(38歳・勤続年数6年)の下に事務業務スタッフが4名(アルバイト含)で構成されています。

 

 

 

現在の組織図は2年前から組織されていますが、社長、営業係長、事務所係長を除き外部の管理者講習等受講経験者はいません。

PM理論のP(目標達成課題解決におけるリダーシップ)について調査、上司と部下とのギャップを確認したものが以下の表の通りです。

 

営業課長への質問です 上司回答    
部下に対する適切な助言はできていますか 4
部下の方への質問です 部下回答 ギャップ
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
営業係長への質問です 上司回答    
部下に対する適切な助言はできていますか 2
部下の方への質問です 部下回答 ギャップ
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 3 1
建材課長への質問です 上司回答    
部下に対する適切な助言はできていますか 4
部下の方への質問です 部下回答 ギャップ
上司からの助言は適切ですか 2 2
上司からの助言は適切ですか 4 0
上司からの助言は適切ですか 3 1
サッシ課長への質問です 上司回答    
部下に対する適切な助言はできていますか 3
部下の方への質問です 部下回答 ギャップ
上司からの助言は適切ですか 4 1
上司からの助言は適切ですか 4 1
上司からの助言は適切ですか 4 1
事務所係長への質問です 上司回答    
部下に対する適切な助言はできていますか 2
部下の方への質問です 部下回答 ギャップ
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 4 2
上司からの助言は適切ですか 3 1
上司からの助言は適切ですか 4 2

 

 

3-1 考察

アンケート(番号02.03.09.16.17.18)の結果より当社の従業員は誠実でまじめな人が多く、与えられた仕事のみを一生懸命にやることを使命と考えている人が多い事がわかる。

(番号01)より、危機感は感じている。と感じている人は多いが、自分が起点となってもの事を変えていく、発言していくという社風がないので実際どのようにすればよいのか、わからない人が多い。その結果一部の人達だけの話で終わってしまう。最悪の状態になった場合、「あの時~しておけば」などの発言が後から出てくるようなことになりかねない。

(番号06)朝礼は必要だと考えている人は多い。理由は全社員が集まれる時間を作る事は必要だ。といった意見や、業務連絡に必要だ。との意見もある。しかし反対意見では、朝礼で全員集まってはいるが、業務連絡として必要な情報や発言はないのでただ集まるだけなら他の手段を考えたほうが良いのではないかという意見もあった。

(番号07)より役職はまとめる人が必要だからという意見や、連絡や相談事をする為には必要であるとの意見が多数であった。しかし上司と部下との間にはPM理論のP(目標達成課題解決におけるリダーシップ)についての調査結果よりギャップが存在する事があきらかとなったのでこの部分は強化していかないといけない部分である。

反対意見では役職者の振舞に問題があるとの意見や社員通しの連携はとれているが役職者通しの連携が見られないとの意見もあった。役職ではなくリーダーとしての位置づけがよいのではないかとの意見もあった。

(番号10)「原口建材店」は社歴も長いので地元玉名では社名がブランド化していると感じていますか。という質問に年齢層の高い世代には十分認知されてブランド化しているという回答が多数。しかし若い世代(30代)からは「建材店とは?」という回答でした。「年間商品売上高と自社工事売上高」の円グラフからもわかるようにB2Cの売上が全体売上高の11%程度見込めるのでエンドユーザーへの認知度、特に若い世代の認知度を獲得していく事は当社の課題のなかでも上位にくる問題である。

 

3-2 SWOT分析

社内アンケート及びヒアリングをもとに社内の強みと弱みをまとめた表が以下の通りである。

 

プラス要因 マイナス要因
内部環境 強み

  1. 社歴があるので地元での年配の方からの地名度は高い
  2. 仕入先の数は多い、支払能力も十分にある
  3. 建材配送人員は若く、機動力はある
  4. 社員のほとんどは地元出身で情報力はある
  5. 個人様からの直接依頼で改修工事をしている
  6.  電話1本で必要な商品を現場まで配達している
弱み

  1. 正社員の人材不足(配送業務スタッフは全て委託)
  2. 顧客の高齢化
  3. 社員のスキル不足
  4. 新築住宅着工数の減少
  5. 配達エリアが広すぎる
  6. 社員の仕事への意識が低い
  7. 若者の認知度は低い
外部環境 機会

  1. 自社開催の展示会は継続し地名度を上げていく(特に若い世代に知ってもらえるようにする)他にも地域交流には積極的に参加する
  2. 他者と同じ商材を扱っている仕入先には仕入金額を交渉する。代替品で他の仕入先へも価格の交渉をする
  3. 現場進行状況から商品納材のタイミングを管理させる
  4. 普段の生活のなかから得られた情報なども営業活動へ繋げていけるように社員同士で共有していく
  5. 工事後のアフターメンテに手を抜かず原口建材店のファンになってもらう
  6. 使用頻度の高い商品のリサーチ。在庫品を見直し常に新しい商品を在庫していく
脅威

  1. 正社員の不足及び高齢化では会社は成長できない。仕事効率も下がるしミスやクレームにもつながる。
  2. 顧客数の減少(売上減)倒産などによる回収不能の可能性がある
  3. 平成20年度から始まる改正省エネ基準住宅への対応ができない
  4. 新規事業(住宅施工会社)の採算がとれなければ当社負担が大きくなる
  5. 遠方が重なれば小回り配達ができなくなる
  6. なれあいで学校みたいになっていく
  7. 地元での存在力が低下していくと新入社員獲得も難しくなる。

 

 

3-3 ファイブフォースによる業界脅威分析

 

業界内の脅威

  • インターネット情報が多すぎる。
  • 材料売価の値下げ
  • 材料仕入価格の値上げ
  • 人件費の高騰
  • 人材不足

 

売手の交渉力

  • メーカー及び問屋の工務店への直接販売
  • 仕入金額を要求すると仕入量を求めてくるので在庫過剰になりやすい
  • 売上など業績を見られる

 

買手の交渉力

  • 競合他社との値段勝負
  • 配送条件の悪い商品を発注される
  • クレーム対応

 

新規参入者

  • インターネット販売による低価格商品
  • 量販店の取扱商品の多様化及び売り掛販売
  • エリア外からの同業他社の進出

 

代替品・サービス

  • 代替品(同等品)は値段が下がる傾向にあるので不利にはならない

 
3-4 顧客353社の経営者を年代別でまとめた表が以下の通りです。但し、後継者がいる場合には後継者の年齢を対象としています。
 

 

3-4 考察

SWOT分析「マイナス要因」②顧客の高齢化。という問題ですが顧客工務店経営者年齢別割合でもわかるとおり、60代以上の経営者が66%。50代、40代、30代と減少している事がわかる。まさに業界の脅威、顧客高齢化問題から予想される人材不足があてはまっている。さらにここで確認できた問題は20代経営者が1人もいない事である。

将来独立して経営者となる20代の大工は地元玉名にはほとんどいないとの回答もヒアリングより聞く事ができた。

 

3-5 2015年3月1日~2016年2月28日までの売上高上位100社と2017年3月1日~2018年2月28日までの売上高上位100社を絞り、2年連続で売上高上位100社に入っている顧客を当社の最重要顧客と設定し調査を実施。2016年4月~2017年2月までは熊本震災影響で全体的に売上増となっていることから、本調査対象からは除く。

 

 

最重要顧客工務店57社のなかで2020年「住宅の省エネ基準の義務化」に伴う新基準住宅をすでに建築開始している工務店

 

 

3-5 考察

年間売上高100位以内で最重要顧客と位置づけなければならない工務店57社の分析ですが、年齢別割合はグラフの通りです。

ここでの問題は、平成20年度より始まる「住宅の省エネ基準の義務化」に伴う新基準住宅を受注することができる工務店の割合です。受注する為の準備に取り組んでいる割合はグラフの通りで、受注できると回答した工務店は26%(17/57社)という結果となりました。SWOT分析「マイナス要因」④でもあるように新築着工数の減少が予想されるなか、工務店は少ない新築物件を大手メーカーと競争して受注していかなくてはなりません。当社としては17社の工務店よりも57社全ての工務店に元請として新築物件を受注してもらえた方が仕事に繋がる可能性が高くなるのは明白です。

残りの40社の経営者の意識を変え、施工レベルを上げていくことに十分な力を注いでサポートしていかなければ売上を今後確保できなくなると予想されます。工務店が主導で仕事を受注できる時代は終わったように感じています。当社の強みとして多くの仕入先があります。その情報量を十分に生かし。工務店と共に戦っていくという営業スタイルの確立が必要になってきたのではないかと感じています。

 

 

4.今後の取組

 

まずは社員の意識変えていく事から初めます。取り組みとしてまず、当社の明確な目標をつくります。2021年に創業100周年を迎えますので100周年というキーワードを元に、会社の目標を短期的目標、中期的目標、最終目標として定め、数値・言葉を使い具体的に掲げ、全社員・アルバイトまで周知徹底していきます。次ぎに朝礼は必要だ。との回答が大半でしたので、朝礼はいままで通り行っていきますが中身を見直します。朝礼の目的をはっきりと決め。目的の為の朝礼をする。という内容で進めていきたいと考えています。目的がぶれないように朝礼の流れはあらかじめ決めて書式化し、それに沿って進行者が進めていくという形で考えています。この変革にはチームを作る方向で考えておりますが、チーム構成は(番号24・25)の回答内容が弱いと感じた人と、強いと感じた人を半分ずつ混ぜて作る方向で考えています。

目的は、目標を達成する為の社員通しのコミュニケーション量を増やす事と達成した時の喜びを共有する事です。次の目標をチームで考え実行できるようになれば成功だと考えています。挑戦と成功体験を感じ、働く意欲を高める社内環境を作り、挑戦し続ける事が定着し社風となるまで続けていきます。この取り組みで得られるものは社内活気。これは社外にもアピールできる当社の強みとなっていくはずです。次ぎに社外の事ですが、SWOT分析での当社の強みと弱みを最重要顧客経営者57社に確認しギャップを確認する作業をおこないます。「住宅の省エネ基準の義務化」に伴う新基準住宅の講習会や新商品の勉強会などを積極的に開催し交流を深める機会を今まで以上に作っていきます。最後にB2Cですが、当社が毎年開催している展示会は続き継続していきます。近年では高校生のブラスバンドやダンスチームがイベントに参加してくれています。

少しずつではありますが若い方との交流が増えてきているのは確かですのでこのまま継続していきます。顧客のニーズを探しだし応えていく事も重要ですので、建材販売のみという縛りにとらわれず。地の利を生かし、地元のお店だから販売できるという商品を常に探しだしていかなければいけないという課題も見えてきました。但し、この課題は社員の意識の改善後と成功例をいくつも重ねて挑戦に自信がもてたときに全社員で取り組むべき課題と考えています。

 

 

5. まとめ

 

当社の現状は、自分以外の仕事に関心が薄く、会社の内情がよくわからない社員ばかりが増え、自己都合発言やマイナス発言が通る雰囲気です。このままでも会社は大丈夫だろうという雰囲気が定着しています。当然、社員が起点となり物事を変えていくような社風ではありません。

今回のアンケート(番号11)結果で会社に対する不満はないと多数の方が回答していましたが、現状のままで会社の業績は維持できるのでしょうか。今回の調査結果は全員に伝え、解決策を全員で考えていかなければならない時期と考えています。会社とは自分の生活に直結する重要な部分であると同時に同僚の生活にも同じくらい重要な部分であると全員が認識すれば変わっていけるはずです。さまざまな業界の脅威や地域問題を、強みと知恵を絞り出し合って全社員で乗り越えていける組織づくりをしていかなくてはなりません。創業100周年を素晴らしい形で迎える事ができれば私たちは大きな自信を得ることとなるはずです。今後の業績にも大きく影響していく事になると考えております。その為にも負けない会社。勝ち続ける会社を作りあげていく事が必須で、当社の未来の姿だと考えております。

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